労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1995年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2022.03.31 【判決日:2021.03.31】
医療法人社団悠翔会事件(東京地判令3・3・31) 医師を1カ月間有期雇用、契約更新1回でクビ 通算2カ月目の雇止め有効
ジャンル:
  • 労働契約
  • 試用期間

 1カ月の有期雇用契約を締結した非常勤医師が更新1回で雇止めされたため、地位確認を求めた。医師は当初、期間を定めない労働条件を提示されたが、眼をケガしたため非常勤として採用された。東京地裁は、契約締結に至る事情から更新期待には合理的理由があると認定。一方、更新の期待度は高いとはいえず、通院により勤務できないなど業務に支障を及ぼすことから雇……[続きを読む]

2022.03.24 【判決日:2021.03.30】
日本通運(川崎・雇止め)事件(横浜地裁川崎支判令3・3・30) 有期契約開始当初から5年上限、雇止め有効か 無期転換制の潜脱当たらず
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 5年を超えて更新しない条件で労働契約を締結してその後雇止めされた事務員が、無期転換権の回避が目的で無効と訴えた。横浜地裁川崎支部は、更新上限は直ちに違法にならないとしたうえで、労使協議で社内ルールを定めて契約期間は5年を上限としており、法の潜脱に当たらないと判断。運用の実態も踏まえて、契約更新の期待は合理的といえず、雇止め有効とした。……[続きを読む]

2022.03.17 【判決日:2021.07.21】
肥後銀行事件(熊本地判令3・7・21) 株主代表訴訟で取締役らに過労自殺の賠償請求 時間管理体制は適正に整備
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 労災
  • 損害賠償

 長時間労働により自殺した行員の遺族が、取締役らが適正な労働時間管理体制の構築を怠ったとして、株主代表訴訟を提起した。熊本地裁は、適切な労働時間管理体制は構築され、善管注意義務違反は認められないとした。自己申告を基礎とする仕組みを採用し、実態把握や改善のための調査を行っていたと認定した。上司でない取締役らが長時間労働を予見するのは困難とし……[続きを読む]

2022.03.10 【判決日:2021.05.17】
国・建設アスベスト(神奈川)事件(最一小判令3・5・17) 石綿粉じんで病気に、国と建材会社へ賠償請求 労働者「以外」も保護の対象
ジャンル:
  • 労働安全衛生法

 建設作業で石綿にばく露して肺がんなどを発症した大工らが、国と建材メーカーに対して損害賠償を求めた。最高裁は、石綿含有建材を取り扱って健康障害が生じるおそれがあることは、労働者か否かで変わらず、国は規制権限を行使すべきだったと判示。石綿含有建材の表示や危険性の掲示、防じんマスク着用の指導監督を怠った国のほか、メーカーの責任も一部認めた。……[続きを読む]

2022.03.03 【判決日:2021.09.07】
テトラ・コミュニーケーションズ事件(東京地判令3・9・7) 書類提出に非協力的で協調性欠くとけん責は? 弁明の機会与えず懲戒無効
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒手続
  • 暴力・暴言

 けん責処分は違法無効として、従業員が会社に損害賠償等を求めた。処分の理由は、DC移行に必要な書類の提出を求めた会社に対し、脅迫的な言動をしたことだった。東京地裁は、就業規則等に規定がなくても弁明の機会を与えるべきと判断。懲戒事由の「非協力的で協調性を欠く」か否かは、経緯や背景も確認する必要があるとした。手続的相当性を欠き処分無効で、慰謝……[続きを読む]

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