労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2022.05.26 【判決日:2021.10.28】
龍生自動車事件(東京地判令3・10・28) コロナで収入激減、タクシー会社解散しクビに 解雇の手続的配慮あり有効
ジャンル:
  • 企業解散
  • 解雇

 新型コロナウイルスの影響で事業継続が不可能になったとして、タクシー会社が全従業員に解雇を通告したうえ解散した。乗務員の解雇無効の訴えに対して、東京地裁は、整理解雇の法理によるのでなく、解雇の手続的配慮や不当な目的の有無を判断。予見困難な事態であり、団交で経営状況等に関し情報提供したことや低額だが退職慰労金の支給など、一応の配慮がなされ解……[続きを読む]

2022.05.19 【判決日:2021.09.15】
みよし広域連合事件(徳島地判令3・9・15) 飲酒運転の車両へ部下同乗、本部長を戒告処分 監督不行届での懲戒無効に
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 部下の監督責任

 友人と飲酒後、友人が運転する車に同乗した職員を懲戒免職としたうえ、消防長を監督不行届で戒告処分した事案。戒告処分の無効を求めた訴訟で徳島地裁は、消防長は飲酒運転の注意喚起を行っており、管理監督義務の懈怠を否定。私生活上の非行に及ぶ蓋然性が高いといった事情は認識できないとした。部下への指導監督は直属の長である消防署の署長らに委ねざるを得な……[続きを読む]

2022.05.12 【判決日:2021.09.28】
ロバート・ウォルターズ・ジャパン事件(東京地判令3・9・28) コロナ流行中に出勤を命じた派遣元に賠償請求 在宅勤務求める義務負わず
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務
  • 派遣

 新型コロナウイルスの感染を懸念して在宅勤務を求めた派遣労働者が、出勤を命じた派遣元に対して安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求した。東京地裁は、当時通勤によって感染することを予見できなかったと判断。派遣元が派遣先に対し、在宅勤務を求めるべき義務は負わないとした。なお、派遣元は出勤時刻の繰下げを要望し実現させるなど十分な配慮をしたとして……[続きを読む]

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