労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2023.10.26 【判決日:2022.11.24】
新潟市(市水道局)事件(新潟地判令4・11・24) 組織改編し未経験業務に、指導不十分で自殺? 職場環境改善する義務怠る
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 組織改編で未経験業務となった市職員が自殺したのは、パワハラでうつ病になったためとして、遺族が損害賠償を求めた。新潟地裁は、上司らが必要な指導をしたり、職場環境を改善し質問しやすい環境を構築すべき注意義務を怠ったと判断。上司は、職場の雰囲気や職員が悩みを相談しない性格であることを認識し得たとした。業務でうつ病を発症したとは認定しなかった。……[続きを読む]

2023.10.12 【判決日:2023.05.24】
社会福祉法人B事件(山口地判令5・5・24) 子ども手当新設して正職員の扶養手当廃止は? 格差是正目的の変更で有効
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 給与規程の変更で扶養手当等が減少した正職員が、不利益変更は無効と主張して差額賃金を求めた。山口地裁は、パート・有期雇用労働法改正に対応するため非正規職員も対象になる子ども手当等を新設したもので、正職員の人件費を手当の原資に充てることの合理性・相当性を認めた。原告らの賃金の減額率は数%で、激変緩和措置を1年から2年間実施したことも考慮した……[続きを読む]

2023.10.05 【判決日:2022.11.16】
セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件(東京高判令4・11・16) 直行直帰のMRに事業場外みなし認めた一審は 勤怠システムで時間把握可
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  • 事業場外労働
  • 労働時間

 営業先へ直行直帰する医療情報担当者に事業場外みなし制が適用されるとした事案の控訴審。東京高裁は、勤怠管理システムの導入後は労働時間を算定し難い場合には当たらないと判断。週報と併せて業務内容等を確認できたとしている。提出された週報からは残業を要する量の業務はうかがわれず、月40時間超の残業に必要な申請もなかったとして、残業代の請求は退けた……[続きを読む]

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