『賃金請求権』の労働判例

2025.05.15 【判決日:2024.03.13】
中日新聞社(錬成費不支給)事件(東京高判令6・3・13) 60年以上も続いた錬成費の支給取止めは有効か 労使慣行成立せず請求棄却
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 60年以上支払われていた錬成費を不支給とされた労働者が、労使慣行に反するとして支払いを求めた事案の控訴審。東京高裁は、支給は労使双方の規範意識で支えられていたとはいえないとして請求を退けた。過去、金額のほか支給方法や対象者を変更する際、労使交渉はなされず会社が決定していた経緯や、労使間で任意的恩恵的な給付と位置付けられていたことも考慮し……[続きを読む]

2023.05.25 【判決日:2022.11.16】
ITサービス事業A社事件(東京地判令4・11・16) 在宅勤務の時間虚偽報告、出社や賃金返還請求 欠勤控除を放棄したと認定
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 在宅勤務を禁止されたが出社を拒否した従業員が賃金支払いを求めたのに対し、会社は勤務時間の報告に虚偽があったとして賃金返還を求めた。東京地裁は、会社が在宅中の不就労時間を問題にせず賃金を払ってきたとして賃金控除を放棄したと判断。勤務場所を自宅としたうえ出勤を命じる業務上の必要性は認められず、不就労を会社の責めに帰すべき事由による休業とした……[続きを読む]

2023.04.06 【判決日:2022.07.07】
リバーサイド事件(東京高判令4・7・7) シフト希望出さず欠勤、就労意思なく退職扱い 賃金バックペイ一部命じる
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 シフトの希望日を出さず欠勤し続けたため、退職扱いとされた従業員から地位確認等を求められた事案。就労の意思を欠くとして請求を退けた一審に対し東京高裁は、合意退職の成立を否定したうえで、会社は団交で復職の意思を認識しながらアルバイトを採用していて就労可能だったとして、不就労を使用者の責に帰すべき事由と判断。コロナ禍を勘案して賃金を算出した。……[続きを読む]

2022.09.08 【判決日:2022.02.08】
学究社事件(東京地判令4・2・8) 同意しないまま2年連続年俸減らされ差額請求 賃金改定の定め合理性欠く
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 2年連続の年俸減額は一方的で無効として、塾講師が差額賃金等を求めた。契約書等では評価で減給するとしていた。東京地裁は賃金が重要な労働条件の1つであり、合理的な算定方法を合意した場合に限り、会社は年俸額の査定・決定権限を有すると判断。給与規定等では昇給率の算出方法を授業アンケート結果によるなどと抽象的にしか定めず、合意は成立していないとし……[続きを読む]

2021.11.04 【判決日:2020.11.25】
シルバーハート事件(東京地判令2・11・25) 週3日働くはずがシフト減らされたと賠償請求 勤務削減に合理的理由なし
ジャンル:
  • 賃金
  • 賃金請求権

 週3日勤務のシフトを削減されたとして、社会福祉施設の従業員が未払賃金を求めた。雇用契約書に勤務日数の記載はなく、「シフトによる」としていた。東京地裁は、合理的な理由なく日数を大幅に削減した場合、シフト決定権限の濫用に当たり違法となり得ると判断。会社が一方的に1日や0日とした月について、直近3カ月の賃金額との差額支払いを命じている。週3日……[続きを読む]

もっと見る
ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。