労働審判後に破産手続き、他社で事業継続し責任は 倒産は賃金支払回避が目的 メルファインほか事件(京都地判平28・4・15)

2017.03.06 【判決日:2016.04.15】

 会社が労働審判で未払賃金の支払いを命じられた後に倒産したため、元従業員が事業の継続先や代表取締役らに対し解決金相当額の支払いを求めた。京都地裁は、債務を免れるために倒産させ、事業を継続させたもので法人格の濫用で共同不法行為と判断。被告らは親会社倒産による連鎖倒産と主張したが、資金供給など資金繰りの実態から必然的とはいえないとした。

法人格濫用と判断 解決金の支払いを

筆者:岡芹 健夫 弁護士(経営法曹会議)

事案の概要

 訴外メルファイン株式会社(以下M社)は、化粧品、健康食品の販売等を業とする会社であり、A社の100%の子会社として平成20年12月に設立された。M社の代表取締役は、平成22年12月まではY4(A社の代表取締役Y1の子)、平成22年5月から平成24年4月まではY1、平成24年3月からはY5であった。

 Xは、平成23年9月からM社で営業職として稼働していた者である。

 株式会社メルファイン(以下Y社)は、平成23年5月に設立された、化粧品、健康食品の販売等を業とする会社であり、代表取締役は、設立から平成24年5月まではY3であり、その後はY4である。

 Y1はA社の代表取締役である。Y2は、M社の営業社員であった者である。マッシュアップ株式会社(以下B社)は、平成26年3月に設立された、化粧品の製造、販売等を業とする株式会社であり、その代表取締役は商業登記簿上はY4である。

 平成24年7月、Y1はXに対してM社からの解雇を通告したところ、Xより、労働契約上の地位確認並びに未払時間外手当および賃金の支払いを求めてM社に対して労働審判手続きの申立てを行い、…

この記事の全文は、読者専用サイトにてご覧いただけます。
読者専用サイトへログイン 読者専用サイトへはこちらからログインしてください。
※読者専用サイトは、定期刊行物(労働新聞または安全スタッフ)の購読者専用のサイトです。詳細・利用方法は、読者専用サイトのご案内をご覧ください。
ジャンル:
掲載 : 労働新聞 平成29年3月6日第3103号14面

あわせて読みたい

ページトップ