『賃金請求権』の労働判例

2023.05.25 【判決日:2022.11.16】
ITサービス事業A社事件(東京地判令4・11・16) 在宅勤務の時間虚偽報告、出社や賃金返還請求 欠勤控除を放棄したと認定
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 在宅勤務を禁止されたが出社を拒否した従業員が賃金支払いを求めたのに対し、会社は勤務時間の報告に虚偽があったとして賃金返還を求めた。東京地裁は、会社が在宅中の不就労時間を問題にせず賃金を払ってきたとして賃金控除を放棄したと判断。勤務場所を自宅としたうえ出勤を命じる業務上の必要性は認められず、不就労を会社の責めに帰すべき事由による休業とした……[続きを読む]

2023.04.06 【判決日:2022.07.07】
リバーサイド事件(東京高判令4・7・7) シフト希望出さず欠勤、就労意思なく退職扱い 賃金バックペイ一部命じる
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 シフトの希望日を出さず欠勤し続けたため、退職扱いとされた従業員から地位確認等を求められた事案。就労の意思を欠くとして請求を退けた一審に対し東京高裁は、合意退職の成立を否定したうえで、会社は団交で復職の意思を認識しながらアルバイトを採用していて就労可能だったとして、不就労を使用者の責に帰すべき事由と判断。コロナ禍を勘案して賃金を算出した。……[続きを読む]

2022.09.08 【判決日:2022.02.08】
学究社事件(東京地判令4・2・8) 同意しないまま2年連続年俸減らされ差額請求 賃金改定の定め合理性欠く
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 2年連続の年俸減額は一方的で無効として、塾講師が差額賃金等を求めた。契約書等では評価で減給するとしていた。東京地裁は賃金が重要な労働条件の1つであり、合理的な算定方法を合意した場合に限り、会社は年俸額の査定・決定権限を有すると判断。給与規定等では昇給率の算出方法を授業アンケート結果によるなどと抽象的にしか定めず、合意は成立していないとし……[続きを読む]

2021.11.04 【判決日:2020.11.25】
シルバーハート事件(東京地判令2・11・25) 週3日働くはずがシフト減らされたと賠償請求 勤務削減に合理的理由なし
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 週3日勤務のシフトを削減されたとして、社会福祉施設の従業員が未払賃金を求めた。雇用契約書に勤務日数の記載はなく、「シフトによる」としていた。東京地裁は、合理的な理由なく日数を大幅に削減した場合、シフト決定権限の濫用に当たり違法となり得ると判断。会社が一方的に1日や0日とした月について、直近3カ月の賃金額との差額支払いを命じている。週3日……[続きを読む]

2021.08.26 【判決日:2020.01.30】
新日本建設運輸事件(東京高判令2・1・30) 再就職してバックペイ請求を一部斥けた一審は 黙示の退職合意は成立せず
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  • 解雇権の濫用
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  • 賃金請求権

 賃上げ交渉をめぐり業務に支障を生じさせたとして解雇された元従業員が、解雇無効と賃金支払いを求めた。一審は、再就職から半年ないし1年経過時点で、就労の意思を喪失し黙示の退職合意が成立するとしたのに対し、東京高裁は、再就職後も同水準の賃金を得ていた事実をもって退職合意は成立しないと判断。他社収入を一部控除したうえで判決確定日まで賃金の支払い……[続きを読む]

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