医療法人光優会事件(大阪高判平26・7・11) 院長の「解散発言」や一斉メール送信で看護師を解雇 意思表示の効力認められる

2015.09.21 【判決日:2014.07.11】
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 看護師ら2人が、解雇後の賃金減額は無効として未払賃金等を請求した。一審は請求をほぼ認めたが慰謝料は一部に留まったため、双方が敗訴部分の取消しを求めた。東京高裁は解雇の有無に関して、指示に従わない看護師に院長が部の解散を告げ、全職員にその旨メールで一斉送信したことは、解雇の意思表示と認定。予告手当と未払賃金に加えて、遅延利息の支払いを命じた。

予告手当支払いを 未払賃金には利息

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 甲は、平成23年10月12日からY医療法人のA診療所で常勤正看護師として勤務していたところ、平成24年8月9日、B院長(Yの理事長)より突然「本日限りで看護部は解散だ」と言われ、解雇されたと受け止め、他の職員に業務を引き継ぎ、以後出勤せず離職したが、同年9月5日の支給日に同年8月分の給与、交通費の立替金を支給されなかったため、同年10月4日、未払給与等の支払いを請求した。これに対し、Yは甲に対し、同月5日、甲の業務命令拒否、職場放棄を理由に給与の10%減額を通知した。

 また、乙は、平成24年3月13日からA診療所で事務員として勤務していたところ、同年8月10日、B院長より「君らの面倒はもうみない」、9月10日、C事務長から、「院長が帰れと言っているので、帰りなさい」、「来なくていい」と言われたため、以後出勤せず離職したが、同年8月分の給与、立替金を支給されなかったため、同年9月13日、未払給料等の支払いを請求した。同年10月20日にも、未払給与等の支払いを求めたが、支払われなかった。

 そこで、甲乙はYに対し、①未払賃金・立替金、②未払賃金等に対する年14.6%の割合による遅延損害金、③解雇予告手当、④同手当と同額の付加金、⑤慰藉料の支払いを求めて提訴した。…

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平成27年9月21日第3033号14面 掲載

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