65歳から“定年延長”、1年で退職扱いされ地位確認 解雇権法理の類推適用なし 学校法人同志社事件(大阪高判平26・9・11)

2015.07.06 【判決日:2014.09.11】

 65歳定年としながら70歳まで1年ごとに定年を延長していた大学で、大学院教授が2回目の延長がなされず退職扱いとなり提訴。大阪高裁は、延長につき教授会で審議され労使慣行は認められず、適格性を欠くとして請求を退けた一審を踏襲したうえで、退職は定年に達したもので解雇権濫用法理を類推適用できないとした。延長の判断に裁量権の逸脱濫用もなかった。

適格性に問題あり 労使慣行も不存在

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 Yは、私立学校法に基づいて設立された学校法人である。

 Xは、平成16年4月1日、Yとの間で期間の定めのない労働契約を締結し、大学院の教授となった。Yでは、満65歳をもって定年としつつ、大学院教授については1年度ごとに定年を延長することができ、満70歳の年度末を限度とするとされていた。

 Xは、定年年齢(65歳)となった翌年度(平成24年度)には定年延長がされたが、2回目の延長は行われず、平成25年3月31日付で退職扱いとなった。

 Yの就業規則においては、大学教員の授業担当時間を週8時間(4コマ分)と定めており、Xは1回目の定年延長に当たる平成24年度は7コマを担当していたが、平成25年度においては、当年度から必修となる科目の講義内容の変更にXが応じず、非常勤講師で対応したこと等により、Xの担当科目は3コマに留まることとなった。また、平成25年度秋開講した新講義について、YよりXに対して嘱託講師ではなくゲストスピーカーでいきたいとして協力要請したところ、Xはこれに抗議し、担当を辞退し、関連する委員会からも脱退するなどした。

 平成25年2月、Yの教授会ではXの定年延長が議題とされ、研究科長より、Xにつき科目の担当拒否があったこと、行政面で不参加があったこと、平成25年度演習指導の学生がいないことが説明され、審議の結果、Xの定年延長が必要な理由は誰からも提示されなかった。その後、…

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掲載 : 労働新聞 平成27年7月6日第3023号14面

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