年俸制導入で賃金減、業績や貢献度不当と差額請求 評価に裁量の逸脱濫用なし 国立精神・神経医療研究センターほか事件(東京地判平28・2・22)

2017.01.16 【判決日:2016.02.22】

 年俸制導入に伴う業績評価の方法や結果が不当として、研究室長が差額賃金を求めた。東京地裁は、評価で論文発表を重視したり、数年かかる研究も単年評価される点につき、いかなる要素を業績、貢献度の判断基準にするかは裁量があり、目標達成度や成果から評価に裁量権の逸脱濫用はないと判断。結果は非公表だが公正・適正な人事評価に不可欠とはいい難いとした。

目標達成状況みて 結果公表なくても

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Y1が国立機関であった平成15年4月に採用された。Y1は平成22年4月1日に独立行政法人化したが、それに伴い、Xは雇用契約を締結しY1の職員となった。Xの直属の上司はA部長であり、A部長の上司は平成27年3月31日までY2であった。

 Y1は、独立行政法人化を機に、職員の業務意欲の向上、Y1全体の能率的運営を図るべく、年俸制(以下「本件年俸制」)を導入した。年俸は、月例年俸と業績年俸からなる。

 本件年俸制の下での評価制度における業績評価(以下「本件評価」)に際しては、研究または診療並びに研修、教育指導および付加職務に関する貢献(以下「本件評価項目1」)と、社会的貢献等の本件評価項目1および治験を含む臨床研究に関する貢献以外の貢献(以下「本件評価項目2」)とが評価の対象となる。

 本件評価は、基本年俸表適用職員評価表(研究部門)によって絶対評価で行われる。本件評価は、一次、二次および最終評価に分けて行われ、一次評価者はY1の部長、二次評価者は所長または院長、最終評価者は総長とされる。本件評価の結果は公表されず、被評価者に対しても開示されない。…

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掲載 : 労働新聞 平成29年1月16日第3096号14面

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