定年後再雇用で賃金3割減、正社員との差額求める 職務や責任は同一で不合理 長澤運輸事件(東京地判平28・5・13)

2016.09.05 【判決日:2016.05.13】

 定年後の嘱託再雇用で賃金を約3割引き下げられたドライバーが、正社員との賃金差額等を求めた。東京地裁は、職務内容や配置変更の範囲、責任の程度は同一としたうえで、新規採用者よりも賃金水準を低くする経営・財務上の必要性はないなど、労働条件の相違を正当と解すべき特段の事情は認められず、労契法20条違反と認定。正社員就業規則を適用し請求を認めた。

経営財務面も考慮 一般の就規を適用

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 原告らは、輸送事業を営む被告を定年退職した後に被告との間で期間の定めのある労働契約を締結して、バラセメントタンク車の乗務員として就労していた。

 本件は、原告らが、原告らと期間の定めのない労働契約を締結している従業員との間に不合理な労働条件の相違が存在すると主張して、主位的には、不合理な労働条件の定めは労働契約法20条により無効であり、原告らには一般の就業規則等の規定が適用されるとして、被告に対し、当該就業規則等の規定の適用を受ける労働契約上の地位の確認を求めるとともに、労働契約に基づき、当該就業規則等の規定により支給されるべき賃金と実際に支給された賃金との差額等を求め(予備的には民法709条)、上記差額に相当する額の損害賠償金等の支払いを求めた事案である。

判決のポイント

 1、労働契約法20条は、…

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掲載 : 労働新聞 平成28年9月5日第3079号14面

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