歩合給から残業代控除、タクシー乗務員が差額請求 成果連動で法趣旨反しない 国際自動車事件(東京地判平28・4・21)

2016.08.01 【判決日:2016.04.21】

 タクシー乗務員が、歩合給から残業手当等を差し引かれ、差額を求めた。東京地裁は、歩合給の算出方法は原則自由としたうえで、成果に連動する賃金で、揚高が同じ限り時間外割増の増加に伴い歩合給が低下する定めも労働時間抑制等の合理性があり、法趣旨に反しないと判断。歩合給の割増相当額は支払われ、労働時間に応じた労基法の保障給もあり公序良俗にも反しない。

計算は原則自由に 保障給の定めあり

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 本件は、Yに雇用されていたタクシー乗務員のXらがYに対し、賃金規則中の歩合給の計算方法に関する定めの一部が労基法37条の趣旨を没却するものであるから無効であり、本来支払われるべき歩合給はより多額である等と主張して、本来支払われるべき歩合給と既払歩合給との差額等を請求した事案である。本判決はXらの請求を棄却した。

 本判決の前に、同じYを相手とした別件判決(東京高判平27・7・16、東京地判平27・1・28、本紙第3018号)は、歩合給算定に当たり、残業手当相当額を控除することは、労基法37条の趣旨に反し、ひいては公序良俗に反し、無効と判断していた。Yの賃金規則は、乗務員の賃金を、概ね次のとおり定めている。

 基本給として、1乗務(15時間30分)当たり1万2500円を支給する。

 服務手当(タクシーに乗務せずに勤務した場合の賃金)、交通費を支給する。

 (ア)割増金(割増賃金相当額)および歩合給を求めるための対象額Aを、次のとおり算出する。…

この記事の全文は、読者専用サイトにてご覧いただけます。
読者専用サイトへログイン 読者専用サイトへはこちらからログインしてください。
※読者専用サイトは、定期刊行物(労働新聞または安全スタッフ)の購読者専用のサイトです。詳細・利用方法は、読者専用サイトのご案内をご覧ください。
ジャンル:
掲載 : 労働新聞 平成28年8月1日第3075号14面

あわせて読みたい

ページトップ