『懲戒権の濫用』の労働判例

2018.07.12 【判決日:2017.10.04】
国立大学法人群馬大学事件(前橋地判平29・10・4) ハラスメントで退職勧告、拒否したと同日解雇 懲戒処分の切替えは不相当
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  • 懲戒権の濫用

 パワハラやセクハラを理由に諭旨解雇を勧告され帰宅しようとした教授に対し、大学は応諾意思なしとして懲戒解雇した。裁判所は、処分の切替えに手続き的瑕疵があり不相当として、慰謝料15万円を認容。退職金に影響が及ぶなど、勧告に応じる機会を法律上保護される利益とした。検討に要する時間の聴取や回答期限を設定できたとしている。非違行為は軽微で解雇も無……[続きを読む]

2017.05.31 【判決日:2016.07.19】
クレディ・スイス証券事件(東京地判平28・7・19) セクハラや競業理由に諭旨退職要求も拒否され解雇 注意指導なく処分重すぎる
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒権の濫用

 セクハラや競業を理由に諭旨退職を求めたが、拒否されたため懲戒解雇したところ地位確認等を求められた。東京地裁は、注意指導をせず極めて重い処分をしたことは社会通念上相当性を欠くと判断。懲戒事由に該当するが、2年間セクハラ被害の申告はなくこの間「親しげ」だったとして嫌悪感や精神的苦痛は割り引くのが相当とした。降職とする選択肢もあるとした。 懲……[続きを読む]

2016.12.19 【判決日:2016.01.14】
大王製紙事件(東京地判平28・1・14) 異動拒否し懲戒解雇、「内部告発の報復」と地位確認 懲戒目的の出向命令は無効
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  • 懲戒権の濫用
  • 配転・出向

 不正会計を内部告発した後に降格され、その後の出向命令に従わず懲戒解雇された元課長が、報復処分で無効と訴えた。東京地裁は、告発内容は伝聞や推測など証拠に乏しく、目的も経営陣失脚が狙いで正当性を欠き、名誉毀損等による降格を有効とした一方、出向は実質懲戒する趣旨で動機や目的が不当と判断。経験や適性を踏まえず出向命令権の濫用であり解雇無効とした……[続きを読む]

2015.02.23 【判決日:2014.07.17】
東京都医師会事件(東京地判平26・7・17) 不適切な言動で3カ月停職、管理職からも外したが 人事権行使した降格は有効
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  • 昇給昇格・降格

 内科医長が、運営方針に従わなかったり検査室の私物化を理由に3カ月停職となり、処分から1カ月後に人事上の措置として降任降格とされたのは、合理的理由を欠き無効と訴えた。東京地裁は、非違行為は軽微な態様とはいえないが患者に影響はなく、就業規則上の最長期間の停職は重すぎるため無効だが、管理職の適格性を欠き降任降格は人事権濫用と認められず有効とし……[続きを読む]

2013.10.07 【判決日:2012.11.30】
日本通信(懲戒解雇)事件(東京地判平24・11・30) システム管理者権限の抹消命じたが応じず懲戒解雇 実害なく具体的危険性欠く
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒手続
  • 懲戒権の濫用

 社内ネットワークのシステム管理者権限の抹消を命じる業務命令を拒んだことから懲戒解雇した事案。東京地裁は、重大な違反だが実害が生じたわけではなく、具体的かつ現実的な危険性も認められないとしたうえで、弁明機会を与えず手続的相当性を欠き解雇無効と判示。普通解雇に当たるとの主張も、是正余地がないとはいえず即日解雇の必要性や緊急性はないと退けた。……[続きを読む]

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