JR東日本事件(最判平8・3・28) 厳重注意など制裁的行為とその立証責任 「相当の理由」あれば免責

1996.08.19 【判決日:1996.03.28】
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根拠事実の立証だけに限定されない 

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 本件原告Xらは、Y会社の従業員であり、国鉄労働組合の分会に所属する組合員である。

 Y会社は、Xに対し、国鉄労働組合の分会に所属する組合員らとともに団体交渉を求めてY会社の高崎運行部高崎運転所の事務室内に無断で立ち入り、助役による再三にわたる退去通告にも従わなかったことを理由として、高崎運行部長名で厳重注意(懲戒処分や訓告に至らない軽易な措置として将来を戒めるもので人事管理台帳等に記載される)の措置を執った。Xは右事務室立ち入り等(以下「本件行為」という)に加わっていなかったにもかかわらず右厳重注意を受けたことにより多大の精神的苦痛を被ったと主張し、他の労組員とともに、厳重注意の無効確認と慰謝料100万円の支払いを求めて提訴に及んだ。

 第一審は、Xらの無効確認の請求を認容し20万円の支払いをY会社に命じた。一方、第二審(東京高裁)は、本件厳重注意の訴えは確認の利益を欠き不適法とし、損害賠償については、Xが本件行為に参加しなかったとする証拠と同人が本件行為に参加したのを現認したとの助役らの証言等のどちらに信を置くべきかは容易に決めがたいものといわなくてはならず、本件証拠関係の下ではXが本件行為に参加していなかったとの事実を認定することが出来ないとした上で、Xの主張する不法行為は同人が本件行為に参加しなかったとの事実を前提とするものであるところ、右事実を認定し難いのであるから、その余の点につき判断するまでもなく、右不法行為の成立は認められないとして、請求を棄却した。これを不服としてXらが上告に及んだものである。

判決のポイント

 本件厳重注意は、…

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平成8年8月19日第2117号10面 掲載

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