朝日火災海上保険(石堂)事件(最1小判平9・3・27) 定年・退職金引き下げる労働協約の効力は 不利益変更でもOK判断

1997.09.08 【判決日:1997.03.27】
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規範的効力を否定する理由ない

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 Y会社は、昭和40年にA会社の鉄道保険部で取り扱っていた保険業務を引き継いだのに伴い、同部に勤務していた者をそれまでどおりの労働条件で雇用することになったが、それ以来組合との間で、同部出身者とそれ以外の労働者の労働条件の統一に関する交渉を続け、昭和47年までに、同部出身者の労働条件を引き上げることによって就業時間、退職金、賃金制度等の労働条件を順次統一してきた。しかし、定年の統一については合意に至らず、同部出身者の定年は63歳、それ以外の定年は55歳のまま推移した。

 Y会社は、経営危機に直面し、定年の統一と退職金算定方法の改定を会社再建の重要な施策として組合と交渉を重ね、昭和58年7月、本件労働協約を組合と締結した。

 本件労働協約は、定年を満57歳とし(ただし、満60歳までは特別社員として正社員の約60%の給与により再雇用のみちを認める)、退職金の支給基準率を引き下げることを主たる内容とするものであるが、本件労働協約が定める定年や退職金支給基準率は当時の業界の水準と対比して低水準ではなかった。

 Xは、本件労働協約締結時で満53歳の組合員であり、同人に同協約を適用すると、定年が満63歳か満57歳に引き下げられ、退職金の支給基準率は71.0から51.0に引き下げられることになった。

 Xは、労働契約上の地位の確認と63歳定年制を前提とする退職金を受ける地位の確認を求めた。

 一審は、Xの請求を棄却した。二審では、Xは不払賃金及び退職金の支払い請求に変更したが、二審判決はこれらを棄却し、Xが上告した。

判決のポイント

 本件労働協約は、…

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平成9年9月8日第2168号10面 掲載

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