『退職金』の労働判例

2023.08.10 【判決日:2023.06.27】
退職手当支給制限処分取消請求事件(最三小判令5・6・27) 酒気帯び運転し免職、退職金3割支給の原審は 勤続報償中心で不支給認容 ★
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 マイカーの酒気帯び運転で懲戒免職された公立教員が退職手当の支給を求めた上告審で、最高裁は3割の支給を命じた原審を変更して全額不支給を認めた。退職手当を勤続報償的な性格が中心と認定。賃金の後払的な性格も含まれ、約30年間懲戒歴がないことを考慮しても、教委が飲酒運転の処分は厳格に対応すると注意喚起していたことから不支給に裁量の逸脱はないとし……[続きを読む]

2023.03.02 【判決日:2021.03.18】
T大学事件(東京地判令3・3・18) 通勤手段を偽り手当受給、退職願出さず解雇に 退職金出る懲戒免職は有効
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒権の濫用
  • 賃金
  • 退職金

 通勤手当を不正受給したとして、懲戒免職(依願退職)となった准教授が、退職願を出さず懲戒解雇されたため地位確認等を求めた。通勤届の電車でなくバイクを利用していた。東京地裁は、不正は採用当初から6年以上にわたり、約200万円の損害も多額などとして請求を退けた。処分歴がないことを考慮しても、退職金が支給される免職処分は裁量権逸脱に当たらない。……[続きを読む]

2022.04.07 【判決日:2021.02.24】
みずほ銀行事件(東京高判令3・2・24) 情報漏えいで解雇、退職金3割とした一審は? “勤続の功”跡形もなく消滅
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  • 賃金
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情報漏えいを理由に懲戒解雇し、退職金を不支給とした事案の控訴審。3割支給を命じた一審に対して東京高裁は、情報の厳格管理や顧客情報の秘密保持が求められる銀行業の信用を著しく毀損する行為で、永年の勤続の功を跡形もなく消し去るのは明確と判断し、全額不支給とした。漏えいした対外秘の行内通達は雑誌やSNSに掲載され、漏えいの悪質性の程度は高いとして……[続きを読む]

2021.10.28 【判決日:2021.03.26】
ヴィディヤコーヒー事件(大阪地判令3・3・26) 事業譲渡後も同じ店で勤務、労働条件引継ぐ? 退職金債務負うのは転籍元
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  • 労働契約
  • 承継
  • 賃金
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 事業譲渡後も同じコーヒーショップで勤務していた店長が、転籍先へ退職金を請求した事案。「退職金制度あり」の譲渡会社から、「同制度なし」の譲受会社へ転籍した。大阪地裁は、会社間の事業譲渡契約において、転籍元で発生した退職金債務を転籍先が引き受ける合意は認められないと判断。転籍先への支払い請求を斥けた。転籍元の役員は店長に対し、退職金は支払う……[続きを読む]

2021.10.07 【判決日:2020.10.29】
東神金商事件(大阪地判令2・10・29) 退職金廃止して精算したのに支払い求められた 就業規則変更の同意認めず
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  • 就業規則の不利益変更
  • 退職金

 元従業員が退職金の支払いを求めた事案。会社は十数年前に制度を廃止して、積み立てていた保険の返戻金を支払っていた。大阪地裁は、返戻金を異議を述べず受領しても就業規則の不利益変更に同意したとはいえないと判断。廃止の理由は、自社ビル購入で負債が膨らんだためで、同意する客観的合理的理由は認められず、経営状況等の説明もないなど改定後の内容は合理性……[続きを読む]

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