精神疾患で休職、主治医見解採用せず退職扱い 「リワーク支援」も復職困難 東京電力パワーグリッド事件(東京地判平29・11・30)

2018.06.21 【判決日:2017.11.30】

 精神疾患で休職中、リワーク(復職支援)プログラムに参加した技術系社員が、休職期間満了による退職無効を求めた。東京地裁は、低い出席率などリワークの評価からは症状が回復したとはいえず、評価を参照せずに就労可能とした主治医の見解は参酌できないとした。本人は配転を希望するが、人間関係の構築は必要で、精神状態の悪化を招く可能性があるとしている。

出席少なく未回復 配転先で悪化懸念

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Y社において送電設備の保守運営業務に携わっていた者であるが、心身の不調により1年間の療養休暇を取得した後、休職となり、就業規則所定の傷病休職期間(2年間)の満了により退職の扱いとなった。

 主治医による就労可能の診断書があり、Xは、休職期間満了時、十分就労可能な状態にあり、仮に、十分に就労できなかったとしても、配置される現実的可能性があると認められる他の業務について労務の提供をすることができ、その提供を申し出ていたと主張して、地位確認および賃金の支払いを求めて労働審判を申し立て、その後、訴訟に移行した。判決は以下の理由で請求を棄却した。

判決のポイント

 1 休職事由消滅に関する判断枠組み

 Xが職種及び業務内容を特定して本件契約を締結したと認めることはできない。Xについて休職の事由が消滅したというためには、①休職前の業務…が通常の程度に行える健康状態となっていること、又は当初軽易作業に就かせればほどなく従前業務を通常の程度に行える健康状態になっていること(①健康状態の回復)、②これが十全にできないときには、…

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掲載 : 労働新聞 平成30年6月25日第3166号14面

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