SGSジャパン事件(東京地判平29・1・26) うつ病回復と主治医診断、就労拒否され自然退職は 労務提供可能とはいえない

2017.07.26 【判決日:2017.01.26】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 うつ病から復職可能とした主治医の診断書があり、休職満了の自然退職を違法無効と訴えた。東京地裁は発症の業務起因性を否定したうえで、主治医は、労働能力や職場の状況に関し、会社と情報共有していたとは認められないと判断。一方、産業医は復帰できないと診断し、本人は体調不良で面談を拒否するなど、労務提供できるほど回復したとは認められないとしている。

産業医復帰認めず 社内情報「共有」を

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社は、電子製品、食品等の鑑定、検査、検量および査定を目的として、第三者認証機関として認証サービスを業としている株式会社である。 甲は、平成21年4月1日に採用され、顧客である企業や団体の工場等に赴いて、審査業務に従事してきた。

 甲は、平成23年5月ころ不眠症状を訴え、うつ病を発症し、同年8月、心療内科より向後1カ月の自宅療養を要する旨の診断を受け、1カ月の休職を申請した。以後、甲は同年10月頃から度々復職の希望を伝えたが、会社は復職を認めなかった。

 会社は、平成24年9月3日付休職期間満了通知書を送付し、就業規則により同月5日をもって自然退職となる旨の通知をした。

 甲は、うつ病は過重な業務等に起因する(労基法19条)うえ、平成23年11月か遅くとも24年8月末には就労が可能であり、退職の告知(解雇)は違法・無効と主張し、労働契約上の地位にあることの確認を求め、訴えを提起した。

 争点は、①うつ病の発症が業務に起因するものといえるか、②甲は復職可能であったかの2点である。本判決はおよそ以下のように判示して、甲の訴えを斥けた。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

平成29年7月24日第3122号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。