病院経営を新機構に移行、院長不採用で整理解雇? 事業廃止からやむを得ない 厚生年金事業振興団事件(東京高判平28・2・17)

2016.11.21 【判決日:2016.02.17】

 厚年病院の経営を委託されていた法人が契約終了に伴い院長を解雇した事案。法改正で設立された新機構が運営を引き継ぎ、職員も全員雇用されるなど、院長は整理解雇の4要件を満たさず無効と訴えた。東京高裁は、法人が存続しつつ人員削減する整理解雇とは前提が異なり、雇用契約は当然に承継されず選考による結果とした。解雇権濫用もなく、事業廃止の解雇は有効。

「4要件」は適用外 雇用契約承継せず

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 本件は、Yが、平成22年当時、独立行政法人Zとの間の経営委託契約に基づき本件厚生年金病院を経営していたところ、当該契約が平成26年3月31日をもって終了し、同年4月1日以降は、新法人が本件病院を経営することとなった(なお、Yは平成26年6月30日、目的である事業の成功の不能により解散した)。

 Yが本件病院の院長であったXを就業規則の「事業上の都合によりやむを得ないとき」により解雇したところ、Xは解雇の無効を主張し、Yに対し、雇用契約に基づく賃金請求または債務不履行に基づく損害賠償として4000万円の支払いを求めた。

 原審(東京地判平27・9・18)はこれを棄却し、Xがこれを不服として、控訴したが(なお、Xは不法行為に基づく損害賠償請求として2000万円の支払いを予備的に追加)、本判決では予備的追加請求も含め棄却した。

 本件の争点は、…

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掲載 : 労働新聞 平成28年11月21日第3089号14面

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