全国社会保険協会連合会事件(東京地判平8・3・6) 新規採用者のチェックオフやめたら? 不当労働行為ではない

1996.09.30 【判決日:1996.03.06】
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本人から委任の申し出なかった

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 病院の職員組合は、病院が新規採用者等について組合費のチェックオフを開始しなかったことなどが不当労働行為であるとして、石川地労委へ救済申立を行った。石川地労委は、チェックオフ不開始などは不当労働行為であると判断した。中労委は、石川地労委の判断を一部覆したが、チェックオフ不開始などは不当労働行為であると判断した。

 本件は、中労委が地労委命令を維持した部分について、連合会(鳴和総合病院)がその取り消しを求めた事件と、中労委が救済申立を棄却した部分について、組合がその取り消しを求めた事件である。

判決のポイント

 従業員の賃金から組合費を控除するいわゆるチェック・オフは、労働基準法24条1項但書の「控除」に該当すると解されるから、これを適法に行うためには、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等が使用者との間で賃金の一部を控除して支払うことに合意し、かつこれを書面により協定するという同項但書の定める要件を具備する必要があると解される。そして使用者がチェック・オフをする権限を取得し、組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うに至るには、右に述べた協定の外に使用者が個々の組合員から、賃金から控除した組合費相当分を労働組合に支払うことにつき、委任を受けることが必要であって、右委任が存在しないときには使用者は当該組合員の賃金からチェック・オフをすることができないと解すべきである。

応用と見直し

組合費のチェックオフ

 組合費のチェックオフとは、…

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平成8年9月30日第2122号10面 掲載

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