『退職金』の労働判例

2025.07.24 【判決日:2024.10.22】
マニュライフ生命保険事件(東京地判令6・10・22) 保険営業員が業法違反、懲戒解雇で退職金なし 勤続の功あり3割は支給を
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 保険業法違反の名義借契約を理由に、懲戒解雇された営業職員が退職金の支払いを求めた。東京地裁は、懲戒解雇を有効と認めたが、退職金を不支給とするには勤続の功を抹消、減殺する著しい背信行為を要するとした。名義借の悪質性や会社の社会的信用を棄損したことを踏まえても、名義借は1件のみで過去に懲戒歴もなかったことから、退職金の3割の請求権を認めた。……[続きを読む]

2025.07.03 【判決日:2025.04.17】
懲戒免職処分取消等請求事件(最一小判令7・4・17) 市バス運賃を着服、懲戒免職で退職手当ゼロ? 不支給でも裁量権逸脱否定 ★
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 市営バスの運賃1000円を着服し、運転席で電子たばこを複数回使用したとして懲戒免職となった運転手が、退職手当不支給処分の取消しを求めた事案の上告審。最高裁は、被害弁償が行われたことや懲戒処分がないことを斟酌しても、不支給処分が裁量権の範囲を逸脱した違法なものとはいえないと判断。事業の信頼を大きく損なったほか、着服を否認した態度は不誠実と……[続きを読む]

2024.11.21 【判決日:2024.06.27】
懲戒処分等取消請求事件(最一小判令6・6・27) 飲酒運転して物損事故、退職手当なしは違法か 原審覆し全部不支給を認容 ★
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 飲酒運転や物損事故等を理由に公務員の退職手当を全額不支給とした事案。不支給処分を取り消した一審判断を維持した原審に対し、最高裁は、処分に裁量権の逸脱濫用はないとして取消請求を棄却した。被害は弁償され懲戒歴もなかったが、事故を起こしたまま帰宅し悪質なこと、警察官に虚偽の説明をし不誠実なこと、公務に対する住民の信頼を大きく損なったとしている……[続きを読む]

2024.07.24 【判決日:2023.05.24】
スカイコート事件(東京地判令5・5・24) 転職するため経理データ持ち出したと懲戒解雇 秘密保持違反で退職金なし
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 退職の意思表示後に経理財務データを持ち出したとして、懲戒解雇された経理部長代理が退職金を請求した。東京地裁は、持ち出したデータが就業規則上の「重大な機密」に当たり、持出行為は功労報償を完全に減殺するとして請求を退けた。不正競争防止法のように、秘密の範囲を限定的に解する必要はないとして、懲戒事由の範囲を規定した就業規則の合理性を肯定できる……[続きを読む]

2024.07.11 【判決日:2023.11.30】
日本産業パートナーズ事件(東京高判令5・11・30) 競業避止義務違反したと退職金25%のみ支給は 業績退職金の不支給認める
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 同業他社へ転職した投資職の元従業員が、退職金総額の25%部分に当たる基本退職金のみ支給されたため、残りの業績退職金を請求した事案の控訴審。請求を棄却した一審と同様、東京高裁も、競業避止義務違反は勤続の功を大きく減殺し、著しく信義に反するとした。転職を1年間禁じることに合理性がないとはいえず、態様が故意で悪質なことや貢献度が低かったことを……[続きを読む]

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