日本郵便(東京)事件(東京高判平30・12・13) 手当なしは不合理、損害額は「正社員の6割」? 住居手当など全額賠償命ず

2019.08.01 【判決日:2018.12.13】
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 契約社員に住居手当がないのは不合理として、正社員の6割相当額の賠償等を命じた事案の控訴審。高裁は、比較した新一般職と職務の内容等に相違はあるが転居を伴う異動はともに予定されていないとして、住居手当全額の賠償を命じた。病気休暇を正社員は有給、契約社員は無給としたことも不合理で、休暇の代わりに取得した年休の賃金相当額を損害額とした。賞与等の請求は斥けた。

無給の休暇違法に年休賃金支払いを

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 Y社は、郵便事業を営む株式会社であり、Xら(3人)は、Y社(およびその前身)との間で、有期労働契約を更新してきた時給制契約社員(以下「契約社員」)である。

 Y社の正社員は、平成26年4月以降の新人事制度により、管理職、総合職、地域基幹職および新一般職の各コースが設けられた(以下、新制度前の「企画職」群でも「技能職」群でもない「一般職」群の正社員を「旧一般職」という)。地域基幹職(郵便コース、窓口コースおよび企画コース)は、営業・お客様へのサービスの提供・業務運行・企画実施業務など、事業に応じた幅広い業務に従事する者で、勤務地は原則として会社指定の地域内とされた。新一般職は、窓口営業、郵便内務、郵便外務または各種事務等の標準的な業務に従事する者で、役職層への登用はなく、勤務地は原則として転居を伴う転勤がない範囲とされた。

 業務内容は、正社員のうち旧一般職および地域基幹職は、幅広く従事することが想定されており、郵便局を異にする異動だけでなく、同一局内でも配置転換が行われることがある。他方、新一般職は、…

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令和元年8月12日第3220号14面 掲載

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