伊藤忠テクノサイエンス事件(東京地判平17・11・22) 社内規定違反で部長を懲戒解雇、退職金も半減 個人的な行動でなく重すぎ

2006.07.03 【判決日:2005.11.22】
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 受注前の成約計上など社内規定に反する行為が懲戒事由に該当するとして懲戒解雇通告、退職金半減の処分を受けた営業部長が、懲戒解雇の無効確認、会社都合による退職金などを求めた。東京地裁は懲戒事由に該当するとしつつも個人的な行動ではなく処分として重すぎ解雇権の濫用に当たるとし、自己都合による退職金の支払いを命じた。

解雇権濫用に該当 自己都合退職金を

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 平成15年9月11日、原告の①正式受注前の成約計上・成約取消しの未処理、②仲介取引における与信未設定・販売代金入金前の仕入代金支払い、③不適切な追加原価処理・取引書類偽造の各行為が、会社の就業規則の「就業規則又は会社の諸規定或は業務上の指示命令に従わず、会社の秩序を乱しその情の重いとき」および「故意又は重大な過失により会社の信用を著しく毀損し又は会社に著しい損害を及ぼしたとき」という懲戒事由に該当するとして、原告を懲戒解雇した。しかし、原告は、同月19日、会社を退職する手続を行い、同日付で、会社から退職証明書を受領した。

 原告は、上記①の成約計上により、会社からインセンティブ141万円を受領していた。

 また、会社の退職金規程は、退職金につき、「懲戒解雇ではないが、これに準ずる事由により退職する場合」には、5割を減額すると規定していた。…

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平成18年7月3日第2591号14面 掲載

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