太平洋セメント・クレオ事件(東京地判平17・2・25) 出向先での配転は退職強要と無効確認を求める 契約の範囲内で命令は有効

2006.01.23 【判決日:2005.02.25】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 子会社に出向した社員に対する出向先からの配転命令は違法か――退職教養が目的として命令の無効確認などを請求した事案で、東京地裁は出向先会社での異動・出向規定の存在、人員配置の必要性、人選の合理性、不利益の程度から業務上の必要性を認め、請求を却下した。ポイントは労働契約上において予定された範囲内の配転かどうかであった。

業務上必要と認定 不利益程度も軽微

筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)

事案の概要

 原告は、被告Y1の管理職であったが、Y1の100%子会社である被告Y2のZ事業部への出向を命ぜられ、Z事業部内のISO担当マネジャーとしての業務に従事していた。その後、原告は、Y2のZ事業部の通信教育担当へ配転を命じられたが、この配転命令は、合理的理由がなく、原告を精神的に追い詰め、退職に追い込むためになされたものであって、権利濫用として無効であるとして、Y2に対し配転命令の無効確認、Y1及びY2に対し慰謝料の支払いを請求した。裁判所はY2に対する配転命令の無効確認を却下し、その余の請求を棄却した。

判決のポイント

 (1)被告Y1の出向規程では、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成18年1月23日第2569号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。