日本航空事件(大阪高判平28・3・24) 休職者を整理解雇、基準公表前に復職し除外求める 「人選の範囲」合理性有する

2017.12.06 【判決日:2016.03.24】
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 会社更生中にCAを整理解雇した事案。休職者らを対象とする一方、当初8月末の基準日までに復帰すれば除外していた。団交で基準日は9月末に延長され11月に公表された。公表前の10月に復職した女性の解雇を無効とした一審に対し、二審は、復帰日基準は例外であり設定に裁量があると判断。基準日の1カ月延長は、退職勧奨に応じた者との関係から合理性を有するとした。

救済範囲には裁量 一審を覆して有効

著者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 甲は、会社に勤務する客室乗務員であった。会社は更正手続き中である平成22年12月9日、甲を含む客室乗務員108人に対し、同月31日付で整理解雇する旨の解雇予告通知をし、同日甲を含む84人に対し、整理解雇を行った。 

 会社の就業規則第2条1項4号には「企業整備等のため、やむを得ず人員を整理するとき」には整理解雇することができる旨の定めがあるが、甲は、本件整理解雇は無効であるとして訴えを提起した。一審(大阪地判平27・1・8)は、人選基準が不合理であるとして本件整理解雇は無効であると判断した。本判決は、控訴審判決である。

 本判決の争点は整理解雇の有効性の有無如何ということであるが、いわゆる整理解雇の4基準(要件または要素)を踏まえつつ、およそ以下のように判示して、一審判決を取り消した。

判決のポイント

 (1)人員削減の必要性…本件更正計画の遂行という見地からは、速やかに、本件削減目標人数を達成するための人員削減を行う必要性があったといえる。

 (2)解雇回避措置の相当性…①多数に上る余剰人員の削減を行うことが必要不可欠であったこと、②特別早期退職措置の募集を行ったこと、③繰り返し希望退職措置の募集を行ったこと、④…

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平成29年12月4日第3139号14面 掲載

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