労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2017.10.31 【判決日:2016.10.25】
学校法人早稲田大阪学園事件(大阪地判平28・10・25) 定昇停止や号俸切下げ退職金減、定年後に差額請求 基本給見直す高度の必要性
ジャンル:
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金
  • 賃金・賞与
  • 退職金

 定年退職した教職員が、新人事制度導入で基本給が引き下げられたとして、得られたはずの退職金との差額約300万円を求めた。大阪地裁は、経営状況悪化で解散も視野に入る中、賃金、退職金の変更に高度の必要性が認められるとした。生徒数の増加は見込めず、学校は定昇停止、手当削減、希望退職の募集等したが効果は限られ、賃金体系を改革するほかなかったとした……[続きを読む]

2017.10.25 【判決日:2017.03.30】
デイサービスA社事件(京都地判平29・3・30) 正社員募集のはずが“1年契約”雇止め無効と訴える 求人票の内容が労働条件に
ジャンル:
  • 労働契約
  • 労働条件の明示
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 求人票の「雇用期間の定めなし」とは異なる「1年契約」の労働条件通知書への署名押印は無効として、採用時64歳の男性が地位確認を求めた。京都地裁は、通知時には就労を開始しており拒否すれば収入が絶たれると考えて署名押印したもので、同意する客観的・合理的理由は認められないとした。契約期間を変更する不利益は重大で、理由説明が不十分としている。 地……[続きを読む]

2017.10.18 【判決日:2016.11.30】
ケー・アイ・エス事件(東京高判平28・11・30) 腰痛の発症は業務上災害、休職満了で解雇扱いに? 労災認定は誤りで退職有効
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 労災
  • 業務上・外認定
  • 腰痛
  • 解雇

 腰痛に伴う休職期間が満了し、退職後に労災認定された元従業員が地位確認等を求めた。労基法の解雇制限に抵触し自然退職を無効とした一審に対し、二審は、重量物に関して約230㎏のコンテナを持ち上げることは、物理的にムリと判断。会社主張のとおり両手で押して移動させたもので、体格から負荷は過重とはいえず、労災認定は誤りとして退職扱いを一転有効とした……[続きを読む]

2017.10.11 【判決日:2017.03.30】
ヤマト運輸(賞与)事件(仙台地判平29・3・30) 非正規のみ査定で賞与減、格差不当として差額請求 計算式の違い不合理でない
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 賃金
  • 賞与・一時金

 契約ドライバーが、勤務状況が同じ正社員と賞与の計算式が異なるのは不合理と訴えた。基本給等に成果査定率として40~50%が乗じられていたが、100%として差額を求めた。仙台地裁は、期待される役割、昇進や転勤など人材活用の仕組みが異なるうえ、正社員の賞与には、将来への動機付けや奨励の意味合いを持たせると考えたことは不合理とはいえないとした。……[続きを読む]

2017.10.03 【判決日:2017.01.31】
TRUST事件(東京地裁立川支判平29・1・31) 「妊娠中は建設現場困難」と派遣登録勧めて退職扱い 妊婦の退職合意認められず
ジャンル:
  • 均等待遇
  • 女性

 妊娠が判明し現場作業が困難となった測量士が、会社に勧められて系列の派遣会社に登録したところ、合意なく退職扱いされたとして慰謝料等を求めた。東京地裁は、退職届の提出がなく、会社は約半年にわたり説明をしていないことから、退職の合意を認める合理的な理由は存在しないとした。産後に復帰する意図を有し、休職の合意であったと認定している。 手続きや説……[続きを読む]

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