保険金請求事件(最一小判平30・9・27) 後遺障害残り自賠責請求、満額受け取れない!? 被害者請求権が国より優先

2019.03.28 【判決日:2018.09.27】
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 交通事故で労災の障害補償一時金では補いきれない損害を受けたとして、加害者の自賠責保険から保険金をいくら受け取れるか争われた訴訟の上告審。保険会社は自賠責の限度で、被害者と国の請求額に応じ按分していた。最高裁は、国が求償した結果、被害者が保険金を優先的に受け取れないのは自賠責や労災の制度趣旨に沿わないと指摘。遅延損害金算定のため原審に差戻す。

保険金「按分」せず 目的は労働者保護

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、トラック乗務員として貨物自動車を運転中、反対車線から進入したA運転の車両と正面衝突して左肩を負傷し、後遺障害が残った。Aは本件事故で死亡し、相続人は相続を放棄、Aは任意保険を締結しておらず、Y保険会社と自賠責保険の契約が締結されているだけであった。

 政府は、本件事故について第三者行為災害として、Xに対し労災保険給付(療養補償給付、休業補償給付および障害補償給付合計908万円余)を行い、XのY社に対する直接請求権(自賠法16条1項)は、労災保険給付の価額の限度で国に移転した(労災保険法12条の4第1項)。

 Xは、Y社に対して保険金請求訴訟を提起し、損害額についても争いがあったが、…

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平成31年4月1日第3203号14面 掲載

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