『労災』の労働判例

2024.04.11 【判決日:2023.09.26】
国・岡山労基署長事件(福岡高判令5・9・26) 過重労働といえず脳出血の発症が“業務外”に? 連続勤務で休息少なく労災
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 脳出血で死亡した労働者の遺族が、労災不支給処分の取消しを求めた事案の控訴審。発症前半年間の残業時間数を平均76時間とした一審に対して、福岡高裁は81時間と認定。始業終業時刻や休憩時間を認定し直した。10日を超える連続勤務を繰り返しており、勤務間インターバルの状況から、業務上災害とした。血圧値は業務起因性を否定する危険因子とまではいえない……[続きを読む]

2023.11.02 【判決日:2022.09.12】
郵船ロジスティクス事件(東京地判令4・9・12) うつ病で2年弱休業状態、有期契約の途中解雇 直ちに雇用終了可能と認定
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  • 労災
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  • 病気
  • 解雇

 うつ病で休業中だった有期契約労働者を、期間途中で解雇した事案。労働者は、うつ病発症はパワハラが原因で労基法の解雇制限に抵触するなどと主張した。東京地裁は、心理的負荷の程度を強度とは評価できず、業務起因性を否定。休業は約1年8カ月に及び、医師の診断書からは症状の改善傾向は窺えず今後の稼働可能性は皆無として、雇用を終了せざるを得ないとした。……[続きを読む]

2023.03.09 【判決日:2022.03.18】
北九州東労基署長事件(福岡地判令4・3・18) 4年前にうつ発病、過重労働で悪化と労災請求 業務量増え心理的負荷“強”
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  • 労災
  • 業務上・外認定

 4年前にうつ病を発症し、その後悪化したのは業務に起因するとして、労災保険給付の不支給処分取消しを求めた。福岡地裁は発病と業務の相当因果関係は否定したが、症状が悪化した直前の残業数は月100時間に達するなど心理的負荷は強として請求を認容。顕著に悪化したのは15日連続勤務の最終日だった。発病当時の上司から再び指導等を受けたことも考慮した。……[続きを読む]

2022.11.24 【判決日:2022.04.13】
休業補償給付支給決定取消請求事件(東京地判令4・4・13) 残業代含まない労災給付額は誤りと取消し請求 部長の管理監督者性認めず
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  • 労災

 適応障害で休業した経理部長が、労基法の管理監督者には当たらないとして、割増賃金を含んでいない休業補償給付の支給決定処分の取消しを求めた行政訴訟。東京地裁は、経理部において労務管理や人事考課の権限を持たない点などから管理監督者性を否定。労働時間に裁量はなく、給与は本部長に次いで高額だったが手当の一部は権限や裁量に対応するものではないとして……[続きを読む]

2022.03.17 【判決日:2021.07.21】
肥後銀行事件(熊本地判令3・7・21) 株主代表訴訟で取締役らに過労自殺の賠償請求 時間管理体制は適正に整備
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  • 労働契約上の権利義務
  • 労災
  • 損害賠償

 長時間労働により自殺した行員の遺族が、取締役らが適正な労働時間管理体制の構築を怠ったとして、株主代表訴訟を提起した。熊本地裁は、適切な労働時間管理体制は構築され、善管注意義務違反は認められないとした。自己申告を基礎とする仕組みを採用し、実態把握や改善のための調査を行っていたと認定した。上司でない取締役らが長時間労働を予見するのは困難とし……[続きを読む]

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