高宮学園(東朋学園・差戻審)事件(東京高判平18・4・19) 賞与不支給の差戻審、育児時短中の減額措置は 合理性あるが遡及適用ダメ

2006.11.06 【判決日:2006.04.19】
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 賞与支給の算定にあたり産休・育児時短分を欠勤とし、出勤率90%要件により不支給とする扱いを巡る上告審で、最高裁は公序に反するとの原審を維持しつつ、不就労期間の減額を認め高裁に差し戻した。東京高裁は減額による不利益変更を容認しつつ、育児時短中への遡及適用は信義則に反するとした。来年4月施行の改正均等法指針にも留意が必要。

信義則に反し無効 不利益変更は容認

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 XはYの従業員で、平成6年に産休を8週間取得し、その後、子供が1歳になるまで1日につき1時間15分、育児のための時間短縮措置(以下「育児時短」という)の適用を受けた。

 Yの給与規程は、出勤率90%以上の者に賞与を支給する旨を定め、具体的な支給計算基準はその都度回覧文書で定めていたが、平成4年度年末賞与から、産休を欠勤日数に算入する扱いとし、Xが育児時短を取得した後で、産休に加え育児時短も欠勤に算入するとした。このためXは、出勤率90%に満たないことを理由に、2度の賞与の全額が支給されなかった。

 Xは、このような取扱いは公序良俗に反するとして、賞与の支払いおよび慰謝料・弁護士費用の支払いを求め提訴した。

 地裁(東京地判平10・3・25)、高裁(東京高判平13・4・17)はいずれも本件取扱いを公序に違反し無効と判示、Yに賞与全額の支払いを命じた。

 しかし、最高裁(平15・12・4判決)は、90%条項のうち、産休・育児時短を欠勤扱いにして出勤率を計算している部分は公序に反し無効であるが、不就労期間に対応して減額を行うことは許されるとし、賞与全額の支払いを命じた原審判決を破棄したうえで、就業規則の不利益変更について審理を尽くすよう、高裁に差し戻した。

判決のポイント

(1)90%条項について

 この点は、…

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平成18年11月6日第2607号14面 掲載

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