『賃金』の労働判例

2025.07.03 【判決日:2025.04.17】
懲戒免職処分取消等請求事件(最一小判令7・4・17) 市バス運賃を着服、懲戒免職で退職手当ゼロ? 不支給でも裁量権逸脱否定 ★ NEW
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 市営バスの運賃1000円を着服し、運転席で電子たばこを複数回使用したとして懲戒免職となった運転手が、退職手当不支給処分の取消しを求めた事案の上告審。最高裁は、被害弁償が行われたことや懲戒処分がないことを斟酌しても、不支給処分が裁量権の範囲を逸脱した違法なものとはいえないと判断。事業の信頼を大きく損なったほか、着服を否認した態度は不誠実と……[続きを読む]

2025.05.15 【判決日:2024.03.13】
中日新聞社(錬成費不支給)事件(東京高判令6・3・13) 60年以上も続いた錬成費の支給取止めは有効か 労使慣行成立せず請求棄却
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 60年以上支払われていた錬成費を不支給とされた労働者が、労使慣行に反するとして支払いを求めた事案の控訴審。東京高裁は、支給は労使双方の規範意識で支えられていたとはいえないとして請求を退けた。過去、金額のほか支給方法や対象者を変更する際、労使交渉はなされず会社が決定していた経緯や、労使間で任意的恩恵的な給付と位置付けられていたことも考慮し……[続きを読む]

2025.04.24 【判決日:2024.05.17】
ジャパンプロテクション事件(東京地判令6・5・17) 警備員が仮眠時間中も対応必要と割増賃金請求 固定残業代は無効 最賃下回る基本給
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 ビルの夜間警備員が、仮眠時間中の割増賃金を求めた。東京地裁は、1人で業務を行った時期を労働時間とした一方、2人体制の時期は仮眠中に1人で対応可能で、かつ、警備の発報がほとんどなかったことも踏まえ、労働からの解放が保障されていたと判断。基本給等の時間単価は最低賃金を下回るなど、調整手当には「通常の賃金」が含まれ固定残業代とは認められない。……[続きを読む]

2025.04.10 【判決日:2024.07.04】
社会福祉法人A事件(東京高判令6・7・4) グループホームで泊まり勤務、割増賃金単価は 夜勤手当のみの合意認めず
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 グループホームで泊まり勤務する生活支援員が、夜勤手当のみを割増賃金計算の基礎とした一審を不服として控訴した事案。東京高裁は、夜勤について日中と異なる時給が許されないわけでないが、その合意は趣旨や内容が明確な形でされるべきと判示。夜勤の労働時間性を争ってきたことを指摘して、合意がなかったと判断した。夜勤は不活動時間も含めて労働時間とした。……[続きを読む]

2025.03.06 【判決日:2024.05.15】
サカイ引越センター事件(東京高判令6・5・15) 引越しの売上げや件数で額決まる手当は歩合? 作業量連動せず出来高否定
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 引越し運送会社が、売上げや件数等に応じて金額が決まる業績給は労基法の出来高給に当たらないとした一審を不服として控訴した事案で、東京高裁は控訴を棄却した。現業職の出来高給の金額は、作業量や運搬距離といった労働の成果に一定比率を乗じて決まるとしたうえ、引越しの売上げや件数は必ずしも作業量等と連動せず、緩やかな相関関係では不十分としている。……[続きを読む]

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