労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2017.04.24 【判決日:2016.03.29】
O公立大学法人事件(京都地判平28・3・29) アスペルガー症由来の問題行動は矯正が困難と解雇 障害者の雇用継続努力欠く
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  • 病気
  • 解雇

 数々の問題行動はアスペルガー症候群に由来し矯正困難として、大学が女性准教授を解雇した。京都地裁は、合理的配慮義務を定めた障雇法の理念や趣旨から一定の配慮が求められ、ジョブコーチの支援等を検討した形跡すらなく雇用継続の努力が限界を超えていたとはいえないとした。指導・指摘が全くなされておらず、改善可能性がなかったと即断できないとしている。……[続きを読む]

2017.04.17 【判決日:2017.02.28】
国際自動車事件(最三小判平29・2・28) 売上高から残業代カットする歩合給算定の仕組みは 「割増控除」無効とはいえず
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  • 割増賃金
  • 賃金

 タクシー乗務員が、売上高から残業代をカットされ法定の割増賃金が支払われてないとして争った。一審、二審が通常の労働時間の賃金に対して割増を義務付ける法の趣旨を潜脱するとしたのに対し、最高裁は、労基則19条の計算を下回らなければ足り、「通常の賃金」をどう定めるか法に規定はなく、控除自体無効ではないとした。割増部分判別のため差し戻した。 通常……[続きを読む]

2017.04.10 【判決日:2016.09.12】
専修大学(差戻審)事件(東京高判平28・9・12) 労災休職中に打切補償、解雇制限解除され効力は? 労働能力を喪失し復職困難
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  • 労災
  • 病気
  • 解雇

 労災認定された頸肩腕症候群による休職が計8年弱に及び、平均賃金1200日分の打切補償を支払って解雇した。最高裁は、解雇制限は解除されるが解雇の有効性を判断するため差し戻した。東京高裁は、労務提供の不能や労働能力の喪失が認められ、解雇は社会通念上相当と判断。リハビリを認める根拠規定はなく、疾病回復のための配慮を欠くといった事情も認められな……[続きを読む]

2017.04.03 【判決日:2016.04.15】
今井建設ほか事件(大阪高判平28・4・15) ビル賃貸業で家賃滞納や空室、担当者に賠償責任? 誓約書の支払約束は無効に
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 ビル賃貸業で賃料滞納や空室が続き、担当者が誓約書に基づく損害賠償責任を負うか争った。元従業員は自らの賃料横領の賠償を含む約770万円の返還を求めたが、棄却されたため控訴した。大阪高裁は、滞納等は当然予想される損害で、多額の支払いを真意で約束するとは考え難いとして請求を一部認めたが、横領は事実と推定でき約622万円の支払約束は有効とした。……[続きを読む]

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