労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2015.12.27 【判決日:2015.05.07】
京都大学事件(京都地判平27・5・7) 国立大職員の給与減額、1年半の時限措置で効力は 国から要請あり必要性認容
ジャンル:
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金
  • 賞与

 国立大学の教職員115人が、約1年半の時限的な給与減額は無効と提訴。京都地裁は、国家公務員の給与減額を契機として、国から役職員の給与減額要請があり、それに併せて実施したもので高度の必要性を認容。他大学よりも低い減額率で、労組と交渉を繰り返すなど給与規程変更を合理的とした。労契法10条により規程変更に合意していない者に対しても拘束力は及ぶ……[続きを読む]

2015.12.14 【判決日:2015.02.26】
ティー・エム・イーほか事件(東京高判平27・2・26) 派遣のうつ病認識できず自殺に責任なしの判断は? 体調管理も安配義務の一環
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務
  • 派遣

 うつ病自殺した派遣労働者の遺族が、派遣元・先らに損害賠償を求めた。罹患を認識できなかったとして棄却されたため控訴した。東京高裁は自殺に至るまでの重篤さは認識できないとしたが、「先」は健康面の不安を「元」に確認したうえで本人と面談しており、両社は体調不良を把握した以上、安全配慮義務の一環として、診断名や薬の把握など体調管理で配慮すべき義務……[続きを読む]

2015.12.07 【判決日:2015.03.13】
A商事事件(東京地判平27・3・13) 産休中に退職扱いされ育休後も復帰できず賃金請求 復職予定日後の支払い認容
ジャンル:
  • 均等待遇
  • 女性
  • 賃金
  • 賃金請求権

 出産翌日に退職扱いされるなど育休後復職できなかったことから、未払賃金や慰謝料を求めた。東京地裁は、育休後は円滑に就業させる努力義務があるとしたうえで、復職予定日から約2カ月後に出社を要求した日までの不就労の帰責性を認め、賃金支払いを命じた。退職扱いには重大な過失があり、労基法の解雇制限や育介法の不利益取扱いに反する不法行為としている。……[続きを読む]

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