労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2015.08.24 【判決日:2015.06.08】
専修大学事件(最二小判平27・6・8) 労災保険給付を受給し休業、打切補償で解雇可能? 使用者の補償と実質は同一
ジャンル:
  • 労災
  • 病気
  • 解雇

 業務上傷病で休業中、平均賃金1200日分の打切補償を支払い解雇したところ地位確認を求められた。一審、二審は使用者から災害補償を受けず打切補償の条件を満たさないとしたが、最高裁は労災保険法の目的や補償内容から、労災給付は使用者の補償と実質同じと判断。治ゆまで給付は続き、労働者の保護を欠くともいえないとした。解雇の効力を審理するため差し戻し……[続きを読む]

2015.08.17 【判決日:2014.12.25】
環境施設ほか事件(福岡地判平26・12・25) 下請労働者が安全帯着用せず転落、元請の責任は? 指揮監督下で安配義務負う
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 労働安全衛生法
  • 安全配慮義務

 元請のプラントで足場から転落し骨折した下請の労働者が、元請や請負先に損害賠償を求めた。福岡地裁は、元請が出退勤を管理し作業内容を指示するなど指揮監督し、特別な社会的接触の関係にあったと判断。安全帯着用を管理する義務を怠り、請負先との共同不法行為とした。元請従業員が安全帯を着用せず、それにならうことも理解できるとして過失相殺を3割とした。……[続きを読む]

2015.08.10 【判決日:2014.11.26】
マーケティングインフォメーションコミュニティ事件(東京高判平26・11・26) 営業手当を定額残業代と認め割増請求斥けた一審は 100時間分で法趣旨に反する
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 賃金

 営業手当は定額残業代の性質を有さないとして、元従業員が未払割増賃金を求めた。給与辞令に内訳の明示があるなど、時間外労働の対価と認めた一審を不服として控訴。東京高裁は、手当は約100時間分の額に相当し、長時間の時間外労働を行わせることは法趣旨に反すると判断。営業手当は住宅、配偶者、資格手当を含み、割増部分との区分も明確とはいえないとした。……[続きを読む]

2015.08.03 【判決日:2014.11.04】
サン・チャレンジほか事件(東京地判平26・11・4) 上司のいじめや暴行で自殺、代表取締役の責任は? パワハラ対策怠り賠償認容
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 飲食店長が自殺したのは長時間労働や上司のいじめ・暴行が原因として、遺族が上司や代表取締役らに損害賠償を求めた。東京地裁は自殺との相当因果関係を認めたうえで、取締役には会社が安全配慮義務を遵守する体制を整えるべき注意義務があるが、長時間労働などを放置し、パワハラの指導や研修の対策も採らなかったとして、会社法に基づく損害賠償責任を認容した。……[続きを読む]

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