下請労働者が安全帯着用せず転落、元請の責任は? 指揮監督下で安配義務負う 環境施設ほか事件(福岡地判平26・12・25)

2015.08.17 【判決日:2014.12.25】

 元請のプラントで足場から転落し骨折した下請の労働者が、元請や請負先に損害賠償を求めた。福岡地裁は、元請が出退勤を管理し作業内容を指示するなど指揮監督し、特別な社会的接触の関係にあったと判断。安全帯着用を管理する義務を怠り、請負先との共同不法行為とした。元請従業員が安全帯を着用せず、それにならうことも理解できるとして過失相殺を3割とした。

出退勤や作業管理 過失相殺で3割減

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 ㈱環境施設は、生コンクリート製造・販売並びに排出土の改良・販売等を業とする会社(以下、K社という)で、㈱東武興産は土木建築等の設計・施工および監督並びに足場工事等を業とする会社(以下、T社という)である。

 労働者Aは、T社と雇用契約を締結し、K社のプラントに派遣されて業務に従事していたものであるが、派遣先のプラントにおいて生じたAの転落事故(以下、本件事故、という)について、K社、T社およびT社の代表取締役Bに対して、共同不法行為に基づく損害賠償を、予備的に債務不履行(安全配慮義務違反)およびBに対して任務懈怠責任に基づく損害賠償を求めたものである。

 Aは、K社の工場の汚泥プラントにおいて、主として、汚泥と石灰との混合物を運搬するベルトコンベアのジョイント部分で土の流れが止まっていないか点検し、詰まった土の撤去をする作業に従事していた。平成21年12月8日、Aがプラントの石灰貯蔵タンクにおいて作業中、足場とした木製の板(道板)が折れ、同所から転落した。本件事故により、Aは、骨盤骨折、神経因性膀胱炎、第1腰椎・第12胸椎圧迫骨折の傷害を負った。Aは、本件事故による負傷治療のため、F整形外科病院において、同日から平成22年2月27日まで(合計82日間)入院治療を、同年3月1日から平成23年2月2日(症状固定日)まで通院治療を受けた。…

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掲載 : 労働新聞 平成27年8月17日第3029号14面

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