横河電機(SE・うつ病罹患)事件(東京高判平25・11・27) うつ病休職満了で解雇、安配違反なしとの一審は? 過重労働で強い負荷を認容

2014.09.22 【判決日:2013.11.27】
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 上司の叱責や過重労働でうつ病を発症し休職期間満了後に解雇されたとして、会社らに損害賠償等を請求した事案の控訴審で、東京高裁は精神的なぜい弱性を考慮しても月90時間超の残業の心理的負荷と発症には相当因果関係があり、予見も可能で一審を覆し安全配慮義務違反とした。素因を勘案し、寛解後の休職との因果関係は50%とした。

寛解後の責任50% 精神的ぜい弱考慮

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 被控訴人会社の従業員であった控訴人Xは、上司であった被控訴人Yから、長時間の残業を強いられたうえ、Xの人格を否定するような非難、罵倒、叱責等を受けたことから、肉体的、精神的に疲労困ぱいし、うつ病等にり患して休職し、休職期間の満了を理由に退職を余儀なくされたと主張して、被控訴人Yに対しては不法行為に基づき、被控訴人会社に対しては主位的に被控訴人Yの不法行為についての使用者責任、予備的に安全配慮義務違反等による債務不履行責任に基づき、損害賠償および遅延損害金の連帯支払いを求めた。

 一審(東京地判平24・3・15)は、控訴人がうつ病等にり患したことについて被控訴人Yに過失があったとは認められず、被控訴人会社に安全配慮義務違反等があったとも認められないとして、控訴人の請求をいずれも棄却した。

 一審判決に対し、控訴人が控訴し、逸失利益および治療費に係る損害の主張を追加するとともに、休職は業務上の傷病によるものであるから休職期間の満了を理由に退職扱いすることは許されないとして、被控訴人会社に対して労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求める訴えを追加した。…

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平成26年9月22日第2986号14面 掲載

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