名古屋学院事件(名古屋高判平7・7・19) 就業規則改訂して退職年金制度を廃止 必要性と代償措置認める

1997.01.20 【判決日:1995.07.19】
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少数組合との3年にわたる交渉評価

筆者:弁護士 畑 守人(経営法曹会議)

事案の概要

 被控訴人(被告)は、中学校と高等学校を併設する学校法人であり、控訴人(原告)4名は、昭和31年4月から昭和46年4月にかけて被控訴人に採用された専任職員(教員)である。

 被控訴人は、私立学校教職員共済組合の退職年金制度のほか、独自の退職年金制度も採用していた。独自の年金制度は、職員の俸給の1%の拠出金とこれと同額の被控訴人からの拠出金とを原資としているが、昭和50年当時、受給者への給付額は年間拠出金を上回っており、被控訴人はその差額を経常支出の中で処理していた。年金基金の収支状況は、その後も悪化し、被控訴人の負担は更に拡大することが予測された。そこで、被控訴人は、昭和53年7月に退職年金の制度を抜本的に改革する必要があるとして、独自の年金制度を廃止し、私立学校教職員共済組合規約による年金制度に一本化すること、独自年金制度廃止に伴い、①昭和52年3月31日をもって年金一時金を算出し、これを凍結すること、②凍答額の支払方法については、改正前の退職金支給乗率による退職金額と年金一時金凍結額との合計額又は改訂退職金支給乗率による退職金額のいずれか一方を退職者の選択により支給すること、③改正退職金支給乗率による退職金を選択した場合には、拠出金相当額を退職時に返還すること、併せて退職年金制度を改訂して退職金の支給乗率を上げることなどの措置を決め、同年9月にその内容を職員に通知した上で労働基準監督署に就業規則の改訂を届出た。

 被控訴人は控訴人らに対し、以後、独自年金制度に基づく控訴人らの年金受給権は失われたものとして取り扱うとしたが、控訴人らは、同人らが被控訴人との個別の年金契約もしくは就業規則付属細則に基づき労働契約上の年金受給権を有しており、これを一方的に廃止することは許されないこと、また同細則の廃止が無効であることなどを主張して、控訴人らと被控訴人との間において、同細則が現に効力を有することの確認などを求めたのが本訴であるが、第一審の名古屋地裁(平成3・5・31判決)および控訴審の名古屋高裁はいずれも控訴人らの請求を棄却した。

判決のポイント

 就業規則の作成又は変更に…

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平成9年1月20日第2137号10面 掲載

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