営業マンの携帯へ電話やメール、みなし適用は 外勤全体の時間算定し難い ナック事件(東京地判平30・1・5)

2018.09.13 【判決日:2018.01.05】

 事業場外みなしで働く営業マンが、携帯電話やメールの指示を受け時間算定できるとして残業代等を求めた。東京地裁は、時間把握の事務が煩雑に過ぎるといった合理的理由があり「時間を算定し難い」とした。営業報告書の内容は簡易で訪問先への照会も非現実的としている。上司らの同行もなかった。労使協定に不備があり労働時間は営業担当の概況から1日11時間とした。

訪問事実分からず 把握には事務煩雑

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 原告は、株式会社である被告に勤務する営業担当社員であったところ、被告は、原告が不正な営業活動を行い、被告に重大な損害を与えた等の理由により原告を懲戒解雇した。

 本訴事件、反訴事件は、解雇前の労働契約関係および解雇理由とされた不正な営業活動に関連して、それぞれ(原告からは未払い残業代等、被告側からは不当な営業活動を行ったことによる損害賠償等)の金員支払いを請求する事案である。

判決のポイント

 1、労働基準法38条の2所定の事業場外労働について、携帯電話等の情報通信機器の活用や労働者からの詳細な自己申告の方法によれば労働時間の算定が可能であっても事業場外労働みなし制の適用のためには労働時間の算定が不可能であることまでは要さないから、その方法の実施(正確性の確認を含む)に過重な経済的負担を要する、煩瑣に過ぎるといった合理的な理由があるときは「労働時間を算定し難いとき」に当たるが、…

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掲載 : 労働新聞 平成30年9月17日第3177号14面

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