時間外の営業やWEB学習を業務とした一審は 指揮命令下の時間ではない NTT西日本ほか事件(大阪高判平22・11・19)

2018.03.14 【判決日:2010.11.19】

 友人らへの営業活動やWEB学習を業務と認め、賃金支払いを命じた事案の控訴審。売上げなど目標達成が求められていたとの一審に対し、大阪高裁は、営業時間や場所、方法は任意で本人のメモからは時間算出が困難なうえ、評価に影響もなかったとした。学習は、自己研鑽を推奨したに過ぎず、いずれも指揮命令下にないと判断。業務命令か曖昧な会社態度を不誠実とした。

場所や方法は任意 自己研鑽を「推奨」

筆者:弁護士 岩本 充史(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、控訴人に雇用され、平成14年5月からは株式会社N1に出向し、平成18年7月からは株式会社N2に出向しているXが、Yに対し、割増賃金等の支払いを求めた事案である。

 〈A〉Yの全社員販売の取組みとしてXが通常の勤務時間外にYのグループ企業の商品を友人知人に販売したことに要した時間、〈B〉通常の勤務時間外にWEB学習に従事した時間は、いずれも、Xが従事した労働時間に当たるとして、平成17年5月~19年4月までの間に、Xが上記〈A〉〈B〉に従事したとする時間等について、一審(大阪地判平22・4・23、本紙2810号)は、〈A〉〈B〉のいずれも労働時間に該当すると判断し、Xの請求を一部認めた。

 本判決は一審とは異なり、いずれも労働時間に該当しないと判断し、Xの請求をいずれも棄却した。なお、その後、上告棄却・上告不受理となり、本判決が確定した。

判決のポイント

 (1)全社員販売に従事した時間の労働時間性

 労基法32条の労働時間は、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるか否かにより客観的に定まるものである(最一小判平12・3・9)。…

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掲載 : 労働新聞 平成30年3月12日第3152号14面

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