クボタ事件(東京地判平23・3・17) 直雇用予定する派遣との団交拒否は不当労働行為? 近い将来に労働契約が成立

2011.08.08 【判決日:2011.03.17】
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 派遣先が直雇用を予定する派遣労働者との団交を拒否し、不当労働行為とした労委命令の取消しを求めた行政訴訟。東京地裁は雇用主だけでなく、近い将来労働契約が成立する現実的かつ具体的な可能性がある者も労組法上の使用者に当たると判示。組合員は直雇用化の同意書を提出し、面接や試験もなく採用されること等から労働契約成立の可能性を認め、請求を棄却した。

同意書あれば採用 労組法の使用者に

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 会社(原告)は、平成19年1月26日、同社の工場で就労している派遣労働者を、同年4月1日を目途に直接雇用することに決定した。その後、同年2月1日、この派遣労働者が加入する組合(補助参加人)が、直雇用化実施前に会社に団交を申し入れたところ、会社は1度は直雇用化のみについて団交に応じたものの、その後、組合からの3回にわたる直雇用化後の労働条件等を議題とした団交申入れに対しては、直雇用化が実施されるまでの間、応じなかった。

 そこで組合は労組法7条3号、同条2号の不当労働行為であるとして、同年3月23日に大阪府労委に対し、救済を申し立てた。大阪府労委は労組法7条2号の不当労働行為であるとして、会社に対し、団交拒否に係る文書手交を命じ、その余の申立ては棄却する旨の命令(初審命令)を発した。

 会社は、初審命令を不服として、中労委に再審査申立てをしたが、中労委は再審査申立てを棄却し、初審命令の主文を一部訂正する命令を発した。そこで、会社が本件命令を不服として行政訴訟を提起した。

判決のポイント

 不当労働行為禁止規定(労組法7条)における「使用者」について、不当労働行為救済制度の目的が、労働者が団体交渉その他の団体行動のために労働組合を組織し運営することを擁護すること及び労働協約の締結を主目的とした団体交渉を助成することにあること(同法1条1項参照)や、団体労使関係が、労働契約関係又はそれに隣接ないし近似した関係をその基盤として労働者の労働関係上の諸利益についての交渉を中心として展開されることからすれば、…

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平成23年8月8日第2836号14面 掲載

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