『派遣』の労働判例

2023.03.23 【判決日:2022.03.30】
竹中工務店ほか2社事件(大阪地判令4・3・30) 偽装請負の状態であり元請へ直接雇用を求める 二重派遣にみなし適用せず
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  • 派遣

 工事の設計・施工図作成を請け負う会社の従業員が、実態は派遣に当たるとして委託先とその親会社に地位確認を求めた。大阪地裁は、親会社の指揮監督下にあり二重派遣の状態としつつ、労働契約申込みみなしの適用を否定。親会社らは派遣の役務の提供を受けたとはいえないとした。派遣に切り替えようとしたほか、違法な就労は2カ月に留まるなど損害賠償請求も退けた……[続きを読む]

2023.02.02 【判決日:2022.03.15】
リクルートスタッフィング事件(大阪高判令4・3・15) 有期派遣スタッフは交通費なく不合理な待遇? 手当不支給の仕事自ら選択
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 派遣

 通勤手当の支給がない登録型の派遣スタッフが、労契法旧20条の不合理な労働条件として損害賠償を求めた事案。一審は請求を退けた。大阪高裁は、短期雇用であり配転の可能性は少なく、手当が支給される業務を選択できたことなどから控訴を棄却した。通勤交通費の負担を考慮して時給を設定し、競合他社と比べて高めに設定したことも不合理性判断の要素としている。……[続きを読む]

2022.09.22 【判決日:2022.02.25】
ベルコ(労働契約申込みみなし)事件(札幌地判令4・2・25) 葬儀会社の代理店従業員、委託元と雇用関係? 無許可派遣で「みなし」対象
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則
  • 派遣

 冠婚葬祭業務を請け負う代理店の従業員が、委託元に対し未払賃金等を求めた。札幌地裁は、自己の労働者を自ら直接利用するか、請け負った業務を独立して処理するかのいずれにも該当する場合を除き、派遣に当たると判示。指揮命令関係から無許可派遣と判断した。委託元とは雇用関係がないとの書面を提出させ、労働契約申込みみなしの権利行使を妨げたとして慰謝料を……[続きを読む]

2022.05.12 【判決日:2021.09.28】
ロバート・ウォルターズ・ジャパン事件(東京地判令3・9・28) コロナ流行中に出勤を命じた派遣元に賠償請求 在宅勤務求める義務負わず
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  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務
  • 派遣

 新型コロナウイルスの感染を懸念して在宅勤務を求めた派遣労働者が、出勤を命じた派遣元に対して安全配慮義務違反に基づく損害賠償を請求した。東京地裁は、当時通勤によって感染することを予見できなかったと判断。派遣元が派遣先に対し、在宅勤務を求めるべき義務は負わないとした。なお、派遣元は出勤時刻の繰下げを要望し実現させるなど十分な配慮をしたとして……[続きを読む]

2021.11.11 【判決日:2021.02.25】
リクルートスタッフィング事件(大阪地判令3・2・25) 登録型派遣スタッフに交通費支給せず違法性は 通勤手当なし不合理でない
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 派遣

 登録型の派遣スタッフが通勤手当を支給されず、不合理な待遇を禁じた旧労働契約法20条違反と訴えた。大阪地裁は、手当は配転命令による負担等へ配慮する趣旨を有すると判断。原告が比較した社員とは、法20条の3要素のうち職務内容や配置の変更範囲が大きく異なり、交通費を自己負担しても時給額は不合理とはいえない金額だったことから、不支給を不合理ではな……[続きを読む]

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