DNPファイン事件(東京高判平27・11・11) 違法な二重下請と一審認容、元請と雇用関係なし? 偽装請負否定し地位認めず

2016.02.29 【判決日:2015.11.11】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 二次下請を解雇された労働者が、違法な二重の偽装請負として元請に地位確認等を求めた。一審は指揮命令の実態から職安法違反としたが、請求を棄却されたため控訴した。東京高裁は下請が勤怠管理し、現場にリーダーを置き配転も行うなど労務管理をしていたと判断。偽装請負自体を否定して請求を斥けた。独自に採用手続きも行っており、黙示的な雇用関係も否定した。

勤怠は各社で管理 黙示の契約もない

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 控訴人(一審原告)Xは、被控訴人Y3と雇用契約を締結し、Y3と被控訴人Y2の業務委託契約およびY2と被控訴人Y1の業務委託契約に基づいて、Y1の工場で勤務していた。

 Xは、①Y1に対し、本件雇用契約および本件各業務委託契約はいわゆる偽装請負であるから公序良俗に反して無効であり、黙示の雇用契約が成立しているとして、Y1との雇用契約上の地位確認を求めるとともに、賃金の支払いを求め、②被控訴人らに対し、共同して二重の偽装請負の状態を作出するなどしてXに損害を加えたとして、Y1およびY3に対しては共同不法行為に基づく損害賠償として、被控訴人らの当時の代表者らに対しては共同不法行為または会社法429条1項に基づく損害賠償金の連帯支払いを求めた。

 一審(さいたま地判平27・3・25)は、Y1がXに直接具体的な指揮命令をしたとして、各業務委託契約は請負契約と評価できないと判断したが、黙示の雇用契約の成立を否定して、Xの請求をすべて棄却し、Xが控訴した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成28年2月29日第3054号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。