日本アイ・ビー・エム事件(東京地判平23・12・28) 退職勧奨を拒否後も説得続けられ違法な強要と訴え 社会通年の範囲逸脱しない

2012.06.18 【判決日:2011.12.28】
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 従業員ら4人が、退職勧奨を拒否した後も早期退職を繰り返し求められたのは退職の強要であり違法として、慰謝料を請求した。東京地裁は、退職に消極的な場合、直ちに説得活動を終える義務はないと判示。退職金割増など充実した退職支援制度の利点を熟慮検討させる過程で仮に「戦力外」と告知しても社会通念を逸脱し違法となるものではないとして、請求を棄却した。

戦力外通告しても 再就職支援は充実

筆者:弁護士 渡部 邦昭 (経営法曹会議)

事案の概要

 会社は、リーマン・ショック後、大規模な任意退職者募集のため、特別支援金の支払いなど有利な退職条件を定めた退職者支援制度を設け、同時に、同制度への応募を勧奨するためのプログラム(RAプログラム)を立案した。

 本件では、RAプログラムに基づいて、任意退職者募集の制度に応募するよう勧奨を受けた甲ら4人の従業員が、違法な退職強要により精神的苦痛を被ったとして、会社に対して、不法行為に基づく損害賠償を請求したものである。

 会社は、RAプログラム対象者に対して退職者支援制度への応募を検討するための必要な情報と説明を提供し、その自由な意思に基づいて応募してもらえるような適切な面談を実施するべく、RAプログラム上に留意すべき事項を掲載して周知を図ったうえで指導・支援を実施してきたと主張した。

 これに対して、甲らは、退職意思はなく面談は不要である旨伝えたところ、平成20年12月4日、会社は、面談を断ると解雇を含む処分があり得る旨伝えてきた。これらの行為は、甲らを退職に追い込むためになされた退職強要行為であり、甲らの自由な意思を抑圧し、困惑、不安にさせる等社会通念上の相当性を逸脱した違法な退職強要であると主張した。…

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平成24年6月18日第2877号14面 掲載

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