妊娠中に軽易業務希望し異動、管理職外すと違法か 転換契機の降格は原則禁止 広島中央保健生協事件(最一小判平26・10・23)

2015.01.19 【判決日:2013.10.23】

 妊娠し、軽易な業務への転換時に管理職から降格させられ、損害賠償を求めた事案の上告審。最高裁は本人の自由意思による同意、または降格させないと業務上支障がある場合を除き、均等法の不利益取り扱いに当たると判示。地位や手当の喪失は重大だが、業務運営上の必要性や負担軽減の程度は不明として、審理を尽くさせるため差し戻した。

処遇面の不利重大 負担軽減かは不明

筆者:弁護士 岩本 充史

事案の概要

 Yに雇用され副主任の職位にあった理学療法士Xが、労基法に基づく妊娠中の軽易な業務への転換に際して副主任を免ぜられ(本件措置1)、育休後も副主任に任ぜられなかった(本件措置2)ことから、Yに対し、副主任を免じた措置は均等法9条3項に違反し無効等と主張して、管理職(副主任)手当の支払いおよび債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を求めた(最高裁で審理の対象となった本件措置1のみ記載する)。

 一審(広島地判平24・2・23)は、Xが副主任を免ぜられたことは、Xの転換請求を契機にこれに配慮しつつ、Xの同意を得たうえで、事業主の業務遂行・管理運営上、人事配置上の必要性に基づいてその裁量の範囲内で行ったものであり、Xの転換請求のみをもって、裁量権を逸脱する法9条3項の不利益な取扱いとは認められないとして、Xの請求を棄却した。

 控訴審(広島高判平24・7・19)も一審同様に、Yが副主任を免じたのはリハビリ科に主任Tがいて、副主任を置く必要がなかったからであり、Xも同意をしていたと評価できること、副主任の任免は、使用者の経営判断に基づきなされることから、法9条3項に違反するとはいえないとして、控訴を棄却した。…

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掲載 : 労働新聞 平成27年1月19日第3001号14面

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