3年間で72回の遅刻、一審は停職処分無効としたが… 遅参日や回数の推認は可能 東京都M局事件(東京高判平26・2・12)

2015.01.26 【判決日:2014.02.12】

 遅刻した日を特定できず、部下へ出勤記録の修正を指示した事実もないとして、営業所長の停職を無効とした事案で、東京高裁は出勤管理システムの入力データや部下の証言から遅参したと推認でき、覆す事実も認められないと判示。出勤扱いのまま決裁し、記録の修正を求める意思があったと認めた。処分前に東京都は弁明の機会を与え、手続きが違法とはいえないとした。

覆す事実関係ない 処分前に弁明機会

筆者:弁護士 山田 靖典(経営法曹会議)

事案の概要

 Yの職員Xは、平成18年4月1日からM局A1営業所長になり、平成21年2月23日、組織再編で新設されたA営業所長に任命され同年7月15日まで勤務し、翌16日に他部署に転出したが、平成22年5月20日、Xが平成19年11月5日から平成21年6月25日までの間に51日も遅刻したとの内部告発文書がY総務局人事部長らに郵送された。そこで、Yは調査を実施したうえ、Xが平成18年4月1日から平成21年7月15日までに正当な理由なく少なくとも72回、午前8時30分の出勤時限に遅刻し、うち71回は部下に指示して、出勤記録なしを「出勤」の表示に修正させたとして、Xを停職3カ月の懲戒に処した。

 Xは停職処分の取消しと停職処分に伴う減収分、逸失利益、慰謝料などの損害賠償として合計557万198円の支払いを求め提訴した。

 一審判決(東京地判平25・6・6、本紙2969号)は、本件停職処分はその根拠となる主要な事実の存在を認めることができず違法だとして取り消し、Yに対し合計386万1239円の損害賠償の支払いを命じた。

 そのため、Yは一審判決のうち敗訴部分の取消しとXの請求棄却を求めて控訴した。…

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掲載 : 労働新聞 平成27年1月26日第3002号14面

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