『退職願』の労働判例

2024.03.28 【判決日:2023.03.09】
中倉陸運事件(京都地判令5・3・9) 退職勧奨は障害者差別と主張して地位確認請求 通院治療のみ理由で慰謝料
ジャンル:
  • 病気
  • 解雇
  • 退職
  • 退職願

 退職勧奨に応じたドライバーが、精神障害が理由の差別等に当たり違法無効と主張して地位確認等を求めた。入社時の健診結果には、うつ病のほか糖尿病等が記載されていた。京都地裁は、退職勧奨は通院、服薬治療のみを理由に行われ、医師の知見を得るなど業務に与える影響を検討していないと判断。障害者への適切な配慮を欠き不法行為とした。合意解約は有効としてい……[続きを読む]

2024.02.15 【判決日:2023.03.29】
栃木県事件(宇都宮地判令5・3・29) 双極性障害で傷病休暇中に出した退職願有効? 辞職承認した処分取り消す
ジャンル:
  • 休職
  • 傷病休職
  • 退職
  • 退職願

 双極性感情障害による傷病休暇中に提出した退職願は無効として、職員が辞職承認処分の取消しを求めた。宇都宮地裁は、休暇中の面談で部長らは休みが長期化する懸念に加え、復職の困難性と退職の選択肢を示唆し、職員はうつ状態の悪化も相まって適切な判断は困難だったと判示。職員は復職を希望していたが、熟慮できないまま退職願を提出し、「自由な意思」といえず……[続きを読む]

2022.10.06 【判決日:2022.03.08】
A病院事件(札幌高判令4・3・8) 退職願は未提出、口頭の辞意表明撤回できるか 一審を覆して合意解約成立
ジャンル:
  • 退職
  • 退職願

 退職願を提出せず口頭での退職申出は撤回したなどとして、未払賃金等を求めた事案。一審は確定的な退職の意思表示とはいえないとしたが、二審の札幌高裁は事務部長との面談で退職日を決定した後の撤回は効力がないとした。退職願を提出するよう就業規則に規定していたが、個別の合意が優先するとしている。同部長が退職するなら懲戒処分しないと告げたが強迫したと……[続きを読む]

2022.09.01 【判決日:2021.12.23】
日東電工事件(広島地裁福山支判令3・12・23) 退職日の日付なし、合意していないと地位確認 受理承諾され“撤回”認めず
ジャンル:
  • 退職
  • 退職願

 退職願を提出した従業員が、退職希望日の日付を入れず無効であり、また後日撤回したとして地位確認を求めた。裁判所は、届出の内容から労働契約を終了させる意思は明らかとした。退職願の返還を求めておらず行動が整合しないなどとして撤回も認めなかった。部長が退職を承認し、電話で退職願を受理したことを伝えており、合意解約は成立したとしている。 辞める意……[続きを読む]

2017.07.12 【判決日:2016.02.12】
石長事件(京都地判平28・2・12) ケガで復職できず退職扱い、治ゆしたと再雇用要求 休職命令は始期を誤り無効
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 退職
  • 退職願

 ケガが治れば再雇用の約束があったとして、退職した元課長が地位確認等を求めた。休職期間満了で自然退職との会社主張に対し、京都地裁は、休職開始を欠勤後1カ月ではなく事故当日としたことは就業規則の要件を欠き無効として、定年まで約1年半の賃金を認容。再雇用を信じ退職届の提出に応じたが会社にその方針はなかったとして、退職意思表示も無効とした。 就……[続きを読む]

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。