外港タクシー事件(長崎地判平13・7・24) 経営権を移転し全員解雇後再雇用 労働条件の不利益変更に

2002.03.18 【判決日:2001.07.24】
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回避努力みられず 解雇権濫用と判断

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Y社はタクシー業を営む会社であり、Xら2名は同社にタクシー乗務員として勤務していた者である。Y社の運送収入は平成9年から減少に転じ、赤字経営が続いて借入金も増加する一方であった。そこでY社の役員らは営業権の売却を検討し、同業者であるA社との間で「商号及び営業譲渡に関する確約書」を締結、A社はY社の発行済株式の全部を買い受けた。

 この経営権委譲に伴い、Y社はいったん従業員50名を全員解雇し、再雇用を希望する者と個別に面接して、従来よりも引き下げられた労働条件(賃金体系の変更、本給の引き下げ、一時金の大幅減額)に承諾した者16名を採用した。

 Xらは本件解雇自体に反対していたため再雇用されなかった。Xらは解雇の無効を主張して労働契約上の地位の確認と、旧制度による給与・一時金を請求して提訴した。

判決のポイント

 本件合意の実体は、確認書の表題(営業譲渡)とは異なり、全株式をA社に譲渡して経営権を同社に移転するものであったから、企業廃止のように性質上従業員全員の解雇を必須とするものではなかった。…

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平成14年3月18日第2385号14面 掲載

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