誠光社事件(大阪地判平10・4・20) 会社の自己破産の申立ては不法行為となるか? 労組壊滅が唯一の目的なら

1999.01.11 【判決日:1998.04.20】
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会社の解散と不当労働行為は別問題

筆者:弁護士 中山 慈夫(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、会社の自己破産申立が不法行為になるか否かが争われた事案である。

 会社は債務超過にあり支払不能であるとして裁判所に自己破産申立を行ったうえ、全従業員に対し事業継続できなくなったことを理由に解雇通知を行った。その後、裁判所は会社に対し破産を宣告し、選任された破産管財人は改めて解雇通知を行った。これに対し会社の労働組合及びその組合員らは、事業継続が可能で何ら破産原因がないにも拘らず、会社の役員・幹部らが共謀して組合を壊滅させるために自己破産申立を行い、組合員を解雇したことなどが不法行為を構成するとして、会社役員・幹部らに対し損害賠償請求をしたものである。

判決のポイント

 1 憲法22条1項は職業選択の自由を保障しており、そこでは営業廃止の自由を含むから、営業者は自らの営業を廃止する自由を有すると解される。また、破産法が、破産原因のある者について裁判所の関与の下でその財産を解体・清算することを通じて債権者の公平と債務者の更正を図ることを目的としていることに照らすと、会社は、支払不能に陥り、あるいは、債務超過の状況に立ち至った場合、その営業を廃止して全財産を清算する手段として、自ら破産申立をする自由を有するのであって、破産原因を有する会社が、たまたま会社内に労働組合が結成されていたことの故をもって破産申立ができなくなり、あるいは、右申立を受理した裁判所が破産宣告を発令できなくなるとする実定法上の根拠はないものといわなければならない。…

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平成11年1月11日第2232号13面 掲載

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