加古川労基署長事件(東京地判平18・9・4) 在職中に罹患したうつ病と自殺の因果関係は? 退職後でも業務起因性肯定

2007.01.29 【判決日:2006.09.04】
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 在籍3カ月で退職し、1カ月後に自殺した保母の遺族が、在職中の過重労働により発症したうつ病が原因として、労災保険給付を申請したが、労基署長が不支給決定したため処分の取消しを求めた事案。東京地裁は、仮に退職後にうつ症状が寛解していたとしても、自殺当時に再び生じていたことに矛盾はなく業務起因性を認めるのが相当とし、原告の主張を認容した。

寛解の判断は早計 再発症に矛盾ない

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 労働者甲は短大卒業後間もない21歳で、平成5年1月からA保育園で保母として勤務を始めたが、主任を含む保母6人全員が一せいに退職したため、主任保母の業務など過重な業務を命じられ、同年3月30日に心身症的疾患を発症し退職した。その後一時元気を回復したが、4月29日遺書を残して自殺した。

 甲の父親は、甲が自殺したのは甲が保母として勤務していた保育園における業務に起因するうつ状態によるものであるとして、労災保険給付の申請をしたが、労働基準監督署長は、甲の在職期間が約3カ月と短いこと、心身症的疾患についての検査入院も一回のみであり、その後に、いったん元気を回復して再度保育士として働くべく求職活動を再開した後の自殺であったこと等から、退職後の自殺は業務に起因する精神疾患によるものであるとは認められないとして、不支給決定した(本件不支給処分)。この決定に対して、甲の父親は、その取消しを求めて本訴を提起した。…

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平成19年1月29日第2618号14面 掲載

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