『業務上・外認定』の労働判例

2023.11.02 【判決日:2022.09.12】
郵船ロジスティクス事件(東京地判令4・9・12) うつ病で2年弱休業状態、有期契約の途中解雇 直ちに雇用終了可能と認定
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 うつ病で休業中だった有期契約労働者を、期間途中で解雇した事案。労働者は、うつ病発症はパワハラが原因で労基法の解雇制限に抵触するなどと主張した。東京地裁は、心理的負荷の程度を強度とは評価できず、業務起因性を否定。休業は約1年8カ月に及び、医師の診断書からは症状の改善傾向は窺えず今後の稼働可能性は皆無として、雇用を終了せざるを得ないとした。……[続きを読む]

2023.03.09 【判決日:2022.03.18】
北九州東労基署長事件(福岡地判令4・3・18) 4年前にうつ発病、過重労働で悪化と労災請求 業務量増え心理的負荷“強”
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 4年前にうつ病を発症し、その後悪化したのは業務に起因するとして、労災保険給付の不支給処分取消しを求めた。福岡地裁は発病と業務の相当因果関係は否定したが、症状が悪化した直前の残業数は月100時間に達するなど心理的負荷は強として請求を認容。顕著に悪化したのは15日連続勤務の最終日だった。発病当時の上司から再び指導等を受けたことも考慮した。……[続きを読む]

2021.12.09 【判決日:2021.04.23】
和歌山労基署長事件(和歌山地判令3・4・23) 早期昇格し同僚らからいじめ、うつ病原因に? 一連の出来事で負荷は“強”
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 幼稚園の副主任がうつ病やPTSDを発症したのは、早くに昇格したことで対立した同僚らからのいじめが原因として労災不支給の取消しを求めた。和歌山地裁は、心理的負荷を与えた12個の出来事は、共通の人間関係を基礎とする中で連続して発生しており、半年より前の出来事も含めて負荷を「強」と評価。負荷はそれぞれ「弱」や「中」だが、一体ないし一連のものと……[続きを読む]

2021.04.01 【判決日:2020.05.29】
国・津山労基署長事件(大阪地判令2・5・29) 業務委託の契約ライダーがケガして労災を請求 場所や時間的拘束され労働者
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 会社からの業務委託でバイクをテスト走行する契約ライダーが、ケガをして労災不支給処分となったため、その取消しを求めた。契約で損害は本人負担とされ、自営業を営み専属性がないなどと国は主張した。大阪地裁は、走行中の具体的な指示、時間的・場所的な拘束性、諾否の自由などから、業務遂行上の指揮監督下にあり労働者と判断。数日間滞在する必要があり、その……[続きを読む]

2021.02.04 【判決日:2020.02.19】
地方公務員災害補償基金事件(横浜地判令2・2・19) 町役場の職員がうつ病を公務外とされ取消請求 「認定基準」当てはめて棄却
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 うつ病を発症してその後退職した町役場の職員(地方公務員)が、公務災害認定されず処分の取消しを求めた。横浜地裁は、災害補償基金の「認定基準」に沿うのが相当と判断。同基準で判断することで当事者から異議もなかった。業務自体は1年目で担当することがあるなど負荷は過重といえず、時間外勤務の時間数も基準におよそ達しないことなどから請求を棄却した。……[続きを読む]

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