株主総会で会社の解散を決議、全員解雇の効力は? 交渉で撤回の可能性乏しい 帝産キャブ奈良事件(奈良地判平26・7・17)

2014.12.08 【判決日:2014.07.17】

 株主総会で会社解散が決議され解雇された運転者らが、地位確認等を求めた。奈良地裁は営業損失が3年連続したこと等から合理性を認めたうえで、労組の団交要求を拒否し文書での説明も不十分だが、団交で会社役員が解散の撤回について交渉するには限度があり、その可能性は乏しいと判示。解雇有効としたが、団交拒否について損害賠償を命じた。

営業損が3年連続 手続的配慮欠くも

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 被告会社は、一般乗用旅客自動車運送事業等を行うことを目的とする株式会社である。臨時株主総会において被告会社を解散する旨の決議がなされ、それに伴い従業員が全員整理解雇された。

 上記整理解雇ないしそれと同時に別の理由で懲戒解雇された原告ら25人が、本件各解雇は無効であるなどとして、雇用契約上の地位確認等を求めるとともに、原告労働組合が、被告は不当な本件解散決議およびそれに伴う解雇等によって原告組合に損害を与えたとして、被告および被告役員らに対し、不法行為または会社法429条1項に基づき、それぞれ損害賠償を求めた事案である。

判決のポイント

 (1)会社解散による解雇の場合であっても、会社は、従業員に対し、解散の経緯、解雇せざるを得ない事情及び解雇の条件などを説明すべきであり、そのような手続的配慮を著しく欠いたまま解雇が行われた場合には、「社会通念上相当であると認められない」解雇であり、解雇権を濫用したものとして、労働契約法16条により無効と判断される余地がある。…

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掲載 : 労働新聞 平成26年12月8日第2996号14面

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