情報技術開発事件(大阪地決平8・1・29) 育児のため正社員からパートへ身分変更 期間満了での雇止めムリ

1996.09.16 【判決日:1996.01.29】
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会社は正社員への復帰希望を“認識”

筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Y会社において正社員としてコンピュータプログラムの仕事を8年半行ってきた。Xは、出産休暇・育児休業により休業した後、正社員として復職し、勤務を続けることを希望したが、正社員の勤務時間では育児と両立することが難しい状況であったため、Y会社と協議の上、雇用形態を変更することとし、一旦退職した形をとりパート社員として雇用を継続することとした。

 Xは、パート契約後も正社員当時の資格と経験を生かし正社員とともにチームを組んで稼働していた。Xのパート社員期間は、当初平成4年11月から平成5年3月31日であったが、同年4月1日からは6カ月間として3回更新された。Y会社は、3回目の更新期間の満了日である平成6年9月末日を以ってXを雇止めした。業績の悪化により余剰人員の削減が必要となったからであった。

決定のポイント

 ①本件パート契約は、期間が明示されているものの、Xが職務について継続かつ専門性を有することを前提に契約し、更新を重ねてきたものである。したがって、Xにおいて雇用継続について高度の期待を抱いていたものと認められ、Y会社もこれを十分認識していたのであるから、実質的には期間の定のない契約と異ならない状態で存在していたものであり、期間の経過のみでは、当然に雇用契約が終了するものではなく、本件パート契約には解雇に関する法理が類推される。②Y会社は、人員削減を含め合理化に取り組んでいたことは認められるが、…

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平成8年9月16日第2121号10面 掲載

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